説苑 / 說叢
默無過言,愨無過事;木馬不能行,亦不費食;騏驥日馳千里,鞭箠不去其背!
新字:黙無過言,愨無過事;木馬不能行,亦不費食;騏驥日馳千里,鞭箠不去其背!
書き下し
默は言を過つ無く、愨は事を過つ無し。木馬は行く能わざるも、亦た食を費やさず。騏驥は日に千里を馳するも、鞭箠其の背を去らず。
現代語訳
沈黙していれば言葉で過ちを犯すことはなく、謹み深ければ物事で過ちを犯すことはない。木で作った馬は歩くことができないが、その分餌を無駄にすることもない。名馬である騏驥は一日に千里を駆けるほどの力を持つが、それでも鞭が背中から離れることはない。
解説
沈黙と謹厳がもたらす無過失と、優れた能力を持つがゆえに酷使される名馬の対比を通じて、能力と負担の関係を鋭く描き出す章である。何もしない木馬は失敗もしないが役にも立たず、逆にどれほど優れた名馬であっても、その能力の高さゆえに常に鞭打たれ酷使され続けるという構図は、有能な人材ほど過大な期待と負荷を背負わされやすいという組織の現実を象徴している。優秀であることが必ずしも報われるとは限らず、むしろ酷使の対象にすらなりうるという皮肉な現実を見つめることは、有能な人材をどう遇するべきかという現代の組織にも重い問いを投げかける。
この章句が説くこと
能力と負荷沈黙の徳酷使
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