説苑 / 說叢
枝無忘其根,德無忘其報,見利必念害身,故君子留精神,寄心於三者,吉祥及子孫矣。
新字:枝無忘其根,徳無忘其報,見利必念害身,故君子留精神,寄心於三者,吉祥及子孫矣。
書き下し
枝は其の根を忘るる無く、德は其の報いを忘るる無く、利を見れば必ず身を害するを念う。故に君子は精神を留め、心を三者に寄す、吉祥子孫に及ばん。
現代語訳
枝はその根を忘れることがなく、徳を積む者はその報いを忘れることがない。利益を目にしたときには必ず自分の身を害する可能性を思うべきである。だから君子は精神を集中させ、心をこの三つの事柄(根への感謝、徳の報い、利による身の危険)に寄せる。そうすれば吉祥が子孫にまで及ぶことになるだろう。
解説
根本への感謝、徳と報いの関係、そして利益に潜む危険という三つの心構えを持ち続けることの大切さを説く章である。枝が根を忘れないようにという比喩は、自分の今の立場や成功がどこから支えられているのかを常に意識せよという教えであり、利益を見たときに真っ先に危険を思うという発想は、目先の得に飛びつく前に潜在的なリスクを考慮する慎重さを促している。この三つの心構えを持ち続けることが、自分一代だけでなく子孫にまで及ぶ長期的な幸いをもたらすという結びは、目先の利益を超えた長期的視野の大切さを教えている。
この章句が説くこと
根本への感謝利害長期的視野