説苑 / 說叢
登高使人欲望,臨淵使人欲窺,何也?處地然也。御者使人恭,射者使人端,何也?其形便也。
新字:登高使人欲望,臨淵使人欲窺,何也?処地然也。御者使人恭,射者使人端,何也?其形便也。
書き下し
高きに登れば人をして望まんと欲せしめ、淵に臨めば人をして窺わんと欲せしむ。何ぞや。地に處ること然ればなり。御する者は人をして恭ならしめ、射る者は人をして端ならしむ。何ぞや。其の形便なればなり。
現代語訳
高い所に登れば人は遠くを眺めたくなり、深い淵に臨めば人は覗き込みたくなる。それはなぜか。その場所に身を置くこと自体がそうさせるのである。馬を御する者は自ずと恭しい姿勢になり、弓を射る者は自ずと姿勢を正しくする。それはなぜか。その所作の形がそうさせているのである。
解説
人の行動や態度は、内面の意志だけでなく、その人が置かれた場所や求められる所作の形によっても引き出されるという洞察を示す章である。高い場所に立てば自然と遠くを望みたくなり、御者や射手は姿勢を正すことを求められる型に自然とはまっていく。これは、環境や型(フォーム)が人の心構えを形作るという現代の行動科学にも通じる視点であり、正しい姿勢や作法をまず整えることが、内面の規律や集中力を養う近道になるという教えとして読み解くことができる。
この章句が説くこと
環境と行動所作型
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