説苑 / 說叢
好稱人惡,人亦道其惡;好憎人者,亦為人所憎。衣食足,知榮辱;倉廩實,知禮節。江河之溢,不過三日;飄風暴雨,須臾而畢。
新字:好称人悪,人亦道其悪;好憎人者,亦為人所憎。衣食足,知栄辱;倉廩実,知礼節。江河之溢,不過三日;飄風暴雨,須臾而畢。
書き下し
人の惡を稱するを好めば、人も亦た其の惡を道う。人を憎むを好む者は、亦た人の憎む所と為る。衣食足れば榮辱を知り、倉廩實つれば禮節を知る。江河の溢るる、三日を過ぎず。飄風暴雨は、須臾にして畢わる。
現代語訳
人の悪口を言うことを好めば、人もまたその者の悪口を言うようになる。人を憎むことを好む者は、また人からも憎まれる者となる。衣食が満ち足りれば栄誉と恥辱をわきまえるようになり、倉庫が満たされれば礼儀作法をわきまえるようになる。大河の氾濫は三日以上続くことはなく、つむじ風や激しい雨も、しばらくすればやんでしまう。
解説
人間関係の因果応報と、経済的基盤が道徳意識を支えるという現実的な洞察、そして激しい現象は長続きしないという自然観を組み合わせた章である。特に「衣食足れば榮辱を知り、倉廩實つれば禮節を知る」は管仲の言葉としても知られる著名な句であり、道徳や品位は精神論だけでなく、生活の安定という土台があってこそ育まれるという現実的な視点を示している。また悪口や憎しみが自分自身に返ってくるという教えは、他者への言動が結局は自分の評判を形作るという処世の基本を再確認させてくれる。
この章句が説くこと
因果応報衣食足りて礼節一過性
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