説苑 / 說叢
冠履不同藏,賢不肖不同位。官尊者憂深,祿多者責大。積德無細,積怨無大,多少必報,固其勢也。
新字:冠履不同蔵,賢不肖不同位。官尊者憂深,禄多者責大。積徳無細,積怨無大,多少必報,固其勢也。
書き下し
冠履は藏を同じくせず、賢不肖は位を同じくせず。官尊き者は憂い深く、祿多き者は責め大なり。德を積むに細と無く、怨みを積むに大と無し。多少必ず報ゆ、固より其の勢いなり。
現代語訳
冠と履物は同じ場所に収蔵しない(高貴なものと卑しいものは区別する)ように、賢者と愚者は同じ地位に置かれるべきではない。官職が高い者ほど憂いは深く、俸禄が多い者ほど責任は大きい。徳を積むのに小さすぎるということはなく、怨みを積むのに大きすぎるということはない(どんなに小さくても積み重なれば必ず影響する)。多かれ少なかれ必ず報いがある、それはもとよりそうなる勢いなのである。
解説
位階の区別、地位に伴う責任の重さ、そして徳と怨みの蓄積という三つのテーマを連ねた章である。「官尊き者は憂い深く、祿多き者は責め大なり」は、高い地位や報酬には必ずそれに見合う重い責任と憂慮が伴うという原則を示しており、権限だけを求めて責任を軽視しがちな現代の昇進志向への戒めとなる。また「德を積むに細と無く、怨みを積むに大と無し」は、どれほど小さな善行や悪行も、積み重なれば必ず大きな結果として返ってくるという教えであり、日々の小さな行いの積み重ねこそが最終的な評価を決めるという現代にも通じる真理である。
この章句が説くこと
責任と地位積徳積怨報い
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