説苑 / 說叢
不富無以為大,不予無以合親;親疏則害,失眾則敗;不教而誅謂之虐,不戒責成謂之暴也。
書き下し
富まざれば以て大と為すこと無く、予えざれば以て親を合わすること無し。親疏なれば則ち害あり、眾を失えば則ち敗る。教えずして誅する、之を虐と謂い、戒めずして成るを責む、之を暴と謂うなり。
現代語訳
財を豊かにしなければ大きな事業を為すことはできず、人に与えなければ人々の親愛を得ることはできない。近しい者を疎んじれば害が生じ、大衆の心を失えば必ず敗れる。教え導かずに罰するのを「虐」といい、戒めもせずに成果だけを求めるのを「暴」という。
解説
リーダーが人を動かす際の基本原則を四つ並べた章である。富の蓄積と分与、親愛の維持、そして「教えずして罰するのは虐政、戒めずして成果を求めるのは暴政」という指摘は、部下や組織の育成における核心を突いている。準備や指導を怠ったまま結果だけを厳しく求める上司や制度は、現代の職場でも珍しくない。育成の機会を与えずに責任だけを負わせることが、いかに理不尽で組織を疲弊させるかを、この短い一文は的確に言い当てている。
この章句が説くこと
育成虐政暴政