説苑 / 正諫
吳王欲從民飲酒,伍子胥諫曰:「不可。昔白龍下清冷之淵,化為魚,漁者豫且射中其目,白龍上訴天帝,天帝曰:『當是之時,若安置而形?』白龍對曰:『我下清冷之淵化為魚。』天帝曰:『魚固人之所射也;若是,豫且何罪?』夫白龍,天帝貴畜也;豫且,宋國賤臣也。白龍不化,豫且不射;今棄萬乘之位而從布衣之士飲酒,臣恐其有豫且之患矣。」王乃止。
新字:吳王欲従民飲酒,伍子胥諫曰:「不可。昔白竜下清冷之淵,化為魚,漁者予且射中其目,白竜上訴天帝,天帝曰:『当是之時,若安置而形?』白竜対曰:『我下清冷之淵化為魚。』天帝曰:『魚固人之所射也;若是,予且何罪?』夫白竜,天帝貴畜也;予且,宋国賤臣也。白竜不化,予且不射;今棄万乗之位而従布衣之士飲酒,臣恐其有予且之患矣。」王乃止。
書き下し
呉王民に従いて酒を飲まんと欲す。伍子胥諫めて曰わく、「不可なり。昔白竜清冷の淵に下り、化して魚と為る。漁者豫且其の目を射中つ。白竜天帝に上訴す。天帝曰わく、『当に是の時、若安んぞ而の形を置きしや』と。白竜対えて曰わく、『我清冷の淵に下りて化して魚と為れり』と。天帝曰わく、『魚は固より人の射る所なり。若し是の若くんば、豫且何の罪かあらん』と。夫れ白竜は天帝の貴畜なり。豫且は宋国の賤臣なり。白竜化せずんば、豫且射ず。今万乗の位を棄てて布衣の士に従いて酒を飲まば、臣恐らくは其れ豫且の患い有らんことを」と。王乃ち止む。
現代語訳
呉王が民間人に交じって酒を飲もうとした。伍子胥が諫めて言った、「いけません。昔、白い竜が清らかで冷たい淵に下り、姿を変えて魚になりました。漁師の豫且がその目を射抜きました。白竜は天帝に訴え出ました。天帝は言いました、『そのとき、お前はどうしてそのような姿でいたのか』と。白竜は答えました、『私は清らかな淵に下って魚に姿を変えていました』と。天帝は言いました、『魚はもともと人に射られるものだ。そういうことであれば、豫且に何の罪があろうか』と。そもそも白竜は天帝の貴い持ち物です。豫且は宋国の身分の低い臣にすぎません。白竜が姿を変えなければ、豫且が射ることもありませんでした。今、王者としての地位を捨てて、庶民に交じって酒を飲もうとされれば、私はあの豫且に射られたような災難に遭うのではないかと恐れます」と。王はそこで思いとどまった。
解説
この章句が説くこと
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説苑・正諫呉王荊を伐たんと欲し、其の左右に告げて曰わく、「敢えて諫むる者あらば死せん」と。舎人に少孺子なる者有り、諫めんと欲するも敢えてせず。則ち丸を懐にして弾を操り、後園に遊び、露其の衣を沾す。是の如くする者三旦。呉王曰わく、「子来たりて何ぞ苦しみて衣を沾すこと此くの如きや」と。対えて曰わく、「園中に樹有り、其の上に蝉有り、蝉高く居りて悲しみ鳴き露を飲み、螳螂の其の後に在るを知らざるなり。螳螂は身を委せ曲附して蝉を取らんと欲し、黄雀の其の傍に在るを知らざるなり。黄雀は頸を延べて螳螂を啄まんと欲して、弾丸の其の下に在るを知らざるなり。此の三者は皆務めて其の前の利を得んと欲して其の後に患い有るを顧みざるなり」と。呉王曰わく、「善いかな」と。乃ち其の兵を罷む。
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説苑・至公呉王闔廬伍子胥の為に師を興して楚に讎を復せんとす。子胥諫めて曰く、「諸侯は匹夫の為に師を興さず、且つ君に事うるは猶お父に事うるがごとし、君の義を虧きて父の讎を復するは、臣為さざるなり」と。是に於て止む。其の後事に因りて後に其の父の讎を復するや、子胥の若きは公事を以て私に趨らずと謂うべし。
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説苑・善說魏の文侯大夫と酒を飲み、公乘不仁をして觴政と爲さしめて曰く、「飲みて釂さざる者は大白を以て浮せ。」文侯飲みて釂を盡くさず。公乘不仁擧げて君を浮すと曰う。君視て應えず。侍者曰く、「不仁退け、君已に醉えり。」公乘不仁曰く、「周書に曰く、『前車覆り、後車戒む。』蓋し其の危きを言うなり。人臣爲ること易からず、君爲ること亦た易からず。今君已に令を設くるに、令行われずんば可ならんや。」君曰く、「善し。」白を擧げて飲み、飲み畢りて曰く、「公勝不仁を以て上客と爲さん。」
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