説苑 / 復恩
楚魏會於晉陽,將以伐齊,齊王患之,使人召淳于髡曰:「楚魏謀欲伐齊。願先生與寡人共憂之。」淳于髡大笑而不應,王後問之,又復大笑而不應,三問而不應,王怫然作色曰:「先生以寡人國為戲乎?」淳于髡對曰:「臣不敢以王國為戲也,臣笑臣鄰之祠田也,以奩飯與一鮒魚。其祝曰:下田洿邪,得穀百車,蟹堁者宜禾。臣笑其所以祠者少而所求者多。」王曰善,賜之千金,革車百乘,立為上卿。
新字:楚魏会於晉陽,将以伐斉,斉王患之,使人召淳于髡曰:「楚魏謀欲伐斉。願先生与寡人共憂之。」淳于髡大笑而不応,王後問之,又復大笑而不応,三問而不応,王怫然作色曰:「先生以寡人国為戯乎?」淳于髡対曰:「臣不敢以王国為戯也,臣笑臣鄰之祠田也,以奩飯与一鮒魚。其祝曰:下田洿邪,得穀百車,蟹堁者宜禾。臣笑其所以祠者少而所求者多。」王曰善,賜之千金,革車百乗,立為上卿。
書き下し
楚魏晋陽に会し、将に以て斉を伐たんとす、斉王之を患ひ、人をして淳于髡を召さしめて曰く、「楚魏謀りて斉を伐たんと欲す、願はくは先生と寡人と共に之を憂へん」と。淳于髡大いに笑ひて応ぜず、王後に之に問ふも、又復た大いに笑ひて応ぜず、三たび問ふも応ぜず、王怫然として色を作して曰く、「先生寡人の国を以て戯と為すか」と。淳于髡対へて曰く、「臣敢へて王の国を以て戯と為さざるなり、臣鄰の田を祠るを笑ふ、奩飯を以て一鮒魚に与ふ、其の祝に曰く、下田洿邪なるも、穀百車を得ん、蟹堁の者は禾に宜しからん、と。臣其の祠る所以の者少くして求むる所の者多きを笑ふなり」と。王善しと曰ひ、之に千金、革車百乗を賜ひ、立てて上卿と為す。
現代語訳
楚と魏が晋陽で会合し、斉を討伐しようとした。斉王はこれを憂え、人をやって淳于髡を召し出させて言った、「楚と魏が謀って斉を討伐しようとしている。どうか先生と共にこの憂いに当たりたい」と。淳于髡は大いに笑うばかりで答えなかった。王が再び尋ねても、また大いに笑うばかりで答えなかった。三度尋ねても答えなかったので、王は怒りの色を浮かべて言った、「先生は私の国のことを戯れ事だと思っているのか」と。淳于髡は答えて言った、「私はあえて王の国のことを戯れ事にしているのではありません。私は隣人が田の神を祭るのを見て笑ったのです。小さな器に入れたわずかな供え物を一匹の鮒魚に捧げ、その祝詞にはこうありました、『低く痩せた田であっても、穀物百車の収穫を得られますように、蟹が這い回るような荒れ地でも、稲が豊かに実りますように』と。私はその者が捧げる供え物は少ないのに、求めるものはあまりにも多いことを笑ったのです」と。王は「なるほど」と言い、彼に千金と兵車百台を賜り、上卿の地位に取り立てた。