説苑 / 建本
虞君問盆成子曰:「今工者久而巧,色者老而衰;今人不及壯之時,益積心技之術,以備將衰之色,色者必盡乎老之前,知謀無以異乎幼之時。可好之色,彬彬乎且盡,洋洋乎安托無能之軀哉!故有技者不累身而未嘗滅,而色不得以常茂。」
新字:虞君問盆成子曰:「今工者久而巧,色者老而衰;今人不及壮之時,益積心技之術,以備将衰之色,色者必尽乎老之前,知謀無以異乎幼之時。可好之色,彬彬乎且尽,洋洋乎安托無能之軀哉!故有技者不累身而未嘗滅,而色不得以常茂。」
書き下し
虞君、盆成子に問いて曰わく、「今工なる者は久しくして巧みに、色なる者は老いて衰う。今人壮なるの時に及ばずして、益々心技の術を積み、以て将に衰えんとする色に備えば、色なる者は必ず老いの前に尽き、知謀は幼き時に異なる無し。好む可きの色は彬彬乎として且つ尽き、洋洋乎として無能の躯を安んじ托せんや。故に技有る者は身に累わされずして未だ嘗て滅びず、而して色は以て常に茂るを得ず」と。
現代語訳
虞君が盆成子に尋ねた。「今、職人は経験を重ねるほど巧みになるが、美貌は老いとともに衰える。今、人が壮年の時期にまで至らないうちから、心技の術をますます積み重ね、いずれ衰えるであろう容色に備えておけば、容色というものは必ず老いの前に尽き果てるが、知恵と技術は幼い時と変わらず保たれる。愛すべき容色というものは美しく彩られていてもいずれ尽き果ててしまうもので、広々としているようでいて何の能力もない身を、どこに安んじて託せようか。だから技術を持つ者は身の衰えに左右されず、いまだかつて滅びたことがない。しかし容色は常に盛んであり続けることはできないのだ」と。
解説
外見の美しさが不可逆に衰えていくのに対し、技術や知恵は積み重ねによって年齢を重ねてもなお保たれ続けるという対比は、若さや容姿という「消費される資産」と、技能という「蓄積される資産」の本質的な違いを浮き彫りにする。若いうちは容色という一時的な資本に頼れても、それはいずれ必ず尽きるものであり、その先を託せるのは技術という積み上げ型の資本だけである。外見的な魅力や一時の評判に頼りがちな現代社会においても、若いうちから技能や知恵という長期的資産に投資しておくべきだという教訓は、キャリア形成の本質を突いている。
この章句が説くこと
老い技術資産
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