説苑 / 臣術
湯問伊尹曰:「古者所以立三公、九卿、大夫、列士者,何也?」伊尹對曰:「三公者,所以參五事也;九卿者,所以參三公也;大夫者,所以參九卿也;列士者,所以參大夫也。故參而有參,是謂事宗;事宗不失,外內若一。」
新字:湯問伊尹曰:「古者所以立三公、九卿、大夫、列士者,何也?」伊尹対曰:「三公者,所以参五事也;九卿者,所以参三公也;大夫者,所以参九卿也;列士者,所以参大夫也。故参而有参,是謂事宗;事宗不失,外內若一。」
書き下し
湯、伊尹に問いて曰く、「古者三公九卿大夫列士を立つる所以は何ぞや」と。伊尹対えて曰く、「三公は五事を参する所以なり。九卿は三公を参する所以なり。大夫は九卿を参する所以なり。列士は大夫を参する所以なり。故に参にして参有り、是を事宗と謂う。事宗失わざれば、外内一の若し」と。
現代語訳
湯王が伊尹に尋ねた。「昔、三公・九卿・大夫・列士という官を立てた理由は何か。」伊尹は答えた。「三公は五つの事柄(五行や五事の政)を検証し補い合うためのものです。九卿は三公の行いを検証し補い合うためのものです。大夫は九卿を検証し補い合うためのものです。列士は大夫を検証し補い合うためのものです。こうして検証の中にさらに検証があること、これを事の要と言います。この要を失わなければ、内も外も一つにまとまります。」
解説
官職の階層構造そのものが、上位者を無条件に信頼するのではなく、下位者が上位者の判断を相互に検証し補い合う仕組みとして設計されていたという指摘は興味深い。権力を一方向の命令系統としてではなく、多層的なチェック機能を備えたシステムとして捉える発想であり、現代の組織におけるガバナンスや相互監査の仕組みの重要性を先取りしている。上下関係があるからこそ、互いに検証し合う仕組みを意図的に組み込む必要があるという教訓である。
この章句が説くこと
相互検証ガバナンス事宗
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