説苑 / 君道
趙簡子與欒激遊,將沈於河,曰:「吾嘗好聲色矣,而欒激致之;吾嘗好宮室臺榭矣,而欒激為之;吾嘗好良馬善御矣,而欒激求之。今吾好士六年矣,而欒激未嘗進一人,是進吾過而黜吾善也。」
新字:趙簡子与欒激遊,将沈於河,曰:「吾嘗好声色矣,而欒激致之;吾嘗好宮室台榭矣,而欒激為之;吾嘗好良馬善御矣,而欒激求之。今吾好士六年矣,而欒激未嘗進一人,是進吾過而黜吾善也。」
書き下し
趙の簡子、欒激と遊び、将に河に沈まんとして曰く、「吾嘗て声色を好みしに、欒激之を致せり。吾嘗て宮室台榭を好みしに、欒激之を為せり。吾嘗て良馬善御を好みしに、欒激之を求めり。今吾士を好むこと六年、而れども欒激未だ嘗て一人を進めず、是れ吾が過ちを進めて吾が善を黜くるなり」と。
現代語訳
趙の簡子が欒激と遊び、その欒激を黄河に沈めようとして言った。「私はかつて音楽や女色を好んだが、欒激はそれを私にもたらした。私はかつて宮殿や高殿を好んだが、欒激はそれを私に作らせた。私はかつて良馬と巧みな御者を好んだが、欒激はそれを私に求めさせた。今、私は優れた人材を好んで六年になるが、欒激はいまだかつて一人も推挙してこなかった。これは私の過ちを助長し、私の善行を退けているのだ。」
解説
簡子は側近が自分の欲望に応えることには熱心である一方、自分が本当に求めている善行――優れた人材の推挙――には応えてこなかったことを見抜き、その怠慢を過ちを助長し善を退ける行為として厳しく断罪する。側近や部下が、上司の悪い欲求には敏感に応じながら、本当に必要な提言や貢献を怠ることは現代の組織でもよく見られる病理であり、上に立つ者は自分に迎合するだけの側近を厳しく見極める必要があるという教訓を伝える。
この章句が説くこと
迎合と怠慢人材推挙自己点検