戦国策 / 韓陽役於三川而欲歸
韓陽役於三川而欲歸,足強為之說韓王曰:「三川服矣,王亦知之乎?役且共貴公子。」王於是召諸公子役於三川者而歸之。
新字:韓陽役於三川而欲帰,足強為之説韓王曰:「三川服矣,王亦知之乎?役且共貴公子。」王於是召諸公子役於三川者而帰之。
書き下し
韓陽三川に役して歸らんと欲す、足強之が為に韓王に說きて曰く、「三川服せり、王も亦之を知るか。役且に公子を共に貴ばんとす。」王是に於て諸公子の三川に役する者を召して之を歸らしむ。
現代語訳
韓陽は三川で兵役に服しており、故郷に帰りたいと望んでいた。足強は韓陽のために韓王にこう説いた。「三川はすでに平定されました。王もこのことをご存じでしょうか。今、兵役に就いている者たちは、みな公子たちを一緒に敬い慕っております。」王はこれを聞き、三川で兵役に服していた公子たちを呼び戻し、帰国させた。
解説
この章は、韓陽が兵役から解放されたいという個人的な願いを、直接的な訴えではなく「三川はすでに平定された」という状況報告と、「兵士たちが公子を慕っている」という王の心証を良くする情報を組み合わせることで、王自らが公子たちを呼び戻す決断をするよう仕向けた話です。自分の望みをそのまま主張するのではなく、相手(王)にとって自然で納得しやすい理由づけを用意し、相手自身の判断として望む結果を選ばせるという間接的な説得の技術が光ります。頼み事をするとき、自分の都合を前面に出すより、相手の視点から見て道理にかなう形に言い換えることが、望む結果を得る近道になるという示唆に富む逸話です。
この章句が説くこと
韓陽足強間接的説得兵役韓王
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