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戦国策 / 謂周最曰仇赫之相宋

謂周最曰:「仇赫之相宋,將以觀秦之應趙、宋,敗三國。三國不敗,將與趙、宋合於東方以孤秦。亦將觀韓、魏之於齊也。不固,則將與宋敗三國,則賣趙、宋於三國。公何不令人謂韓、魏之王曰:『欲秦、趙之相賣乎?何不合周最兼相,視之不可離,則秦、趙必相賣以合於王也。』」

新字:謂周最曰:「仇赫之相宋,将以観秦之応趙、宋,敗三国。三国不敗,将与趙、宋合於東方以孤秦。亦将観韓、魏之於斉也。不固,則将与宋敗三国,則売趙、宋於三国。公何不令人謂韓、魏之王曰:『欲秦、趙之相売乎?何不合周最兼相,視之不可離,則秦、趙必相売以合於王也。』」

書き下し

周最に謂ひて曰く、「仇赫の宋に相たるは、将に秦の趙・宋に応ずるを観て、三国を敗らんとすればなり。三国敗れずんば、将に趙・宋と東方に合して以て秦を孤にせん。亦将に韓・魏の齊に於けるを観んとす。固からずんば、則ち将に宋と三国を敗り、則ち趙・宋を三国に売らん。公何ぞ人をして韓・魏の王に謂はしめて曰かざる、『秦・趙の相ひ売るを欲するか、何ぞ周最を合して兼相とせざる、これを視るに離るべからずんば、則ち秦・趙必ず相ひ売りて以て王に合せん』と」と。

現代語訳

ある人が周最に説いた。「仇赫が宋の宰相となったのは、秦が趙・宋にどう応じるかを見極めて、三国(秦・趙・宋、あるいは韓・魏・齊)を敗るためです。もし三国を敗れなければ、趙・宋と東方で連合して秦を孤立させようとするでしょう。またあわせて、韓・魏が齊に対してどう出るかも見極めようとしています。もし(連合が)固まらなければ、宋とともに三国を打ち破り、そのうえで趙・宋を三国に売り渡すことになるでしょう。あなたはなぜ人を遣わして韓・魏の王にこう伝えさせないのですか。『秦と趙が互いに裏切り合うことを望むのか。ならばなぜ周最を招いて共同の宰相としないのか。周最と(韓・魏が)離れられない関係にあると示せば、秦と趙は必ず互いを裏切ってあなたがたと結ぶことになるだろう』と」。

解説

本話は、宋の宰相・仇赫の動きの裏にある思惑を読み解き、周最を使って韓・魏を動かす複雑な策を説いた一話です。話者は、仇赫が状況次第で連合相手を平気で裏切る(趙・宋を売る)可能性があることを見抜き、その不安定さを逆手にとって、韓・魏に周最という人物を「結束の証」として担がせることで、秦と趙の連携を崩し韓・魏側に引き寄せようとしています。同盟が常に裏切りの可能性をはらむ流動的な情勢の中で、特定の人物を「離れられない絆の象徴」として掲げることで相手陣営の結束を切り崩すという発想は、複雑な多者間交渉における同盟工作の機微を示しています。

この章句が説くこと

仇赫周最

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