呂氏春秋 / 仲夏⑤
是月也,無用火南方。可以居高明,可以遠眺望,可以登山陵,可以處臺榭。
新字:是月也,無用火南方。可以居高明,可以遠眺望,可以登山陵,可以処台榭。
書き下し
是の月や、火を南方に用うること無かれ。以て高明に居る可く、以て眺望を遠くす可く、以て山陵に登る可く、以て臺榭に處る可し。
現代語訳
この月には、南方で火を使ってはならない。高く見晴らしのよい所に住むのがよく、遠くを眺めるのがよく、山や丘に登るのがよく、土台を築いた台やその上の建物(台榭)に居るのがよい。
解説
仲夏の過ごし方として、南方での火の使用を戒め、高く涼しい場所に身を置くことを勧める短い段です。夏は五行では火に配され方位は南にあたるため、その火気にさらに火を重ねることを避けよ、という五行思想にもとづく禁忌です。反対に、高台や山陵など風通しがよく見晴らしのきく場所に居ることを勧めるのは、盛夏の暑熱をしのぐ実際的な知恵でもあります。象徴的な禁忌と生活の合理性が一体となっている点が月令らしいところです。現代でも、暑い季節に火気や熱を避け、涼を求めて過ごす工夫は変わらず受け継がれています。
この章句が説くこと
火南方五行高明台榭避暑
関連する章句
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呂氏春秋・仲夏①仲夏の月。日は東井に在り、昏に亢中し、旦に危中す。其の日は丙丁、其の帝は炎帝、其の神は祝融、其の蟲は羽、其の音は徵、律は蕤賓に中る。其の數は七、其の味は苦、其の臭は焦、其の祀は竈、祭るには肺を先にす。小暑至り、螳蜋生じ、鶪始めて鳴き、反舌聲無し。天子、明堂の太廟に居り、朱輅に乘り、赤駵を駕し、赤旂を載て、朱衣を衣、赤玉を服び、菽と雞とを食らう。其の器は高にして以て觕なり。壯狡を養う。
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呂氏春秋・孟夏①孟夏の月、日は畢に在り、昏に翼中し、旦に婺女中す。其の日は丙丁、其の帝は炎帝、其の神は祝融、其の蟲は羽、其の音は徵、律は仲呂に中たる。其の數は七、其の性は禮、其の事は視、其の味は苦、其の臭は焦、其の祀は竈、祭るには肺を先にす。螻蟈鳴き、丘蚓出で、王菩生じ、苦菜秀づ。天子、明堂の左個に居り、朱輅に乘り、赤駵を駕し、赤旂を載て、赤衣を衣、赤玉を服び、菽と雞とを食らう。其の器は高にして以て觕なり。
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礼記・月令鹿角解(お)ち、蟬始めて鳴く。半夏(はんげ)生じ、木堇(もくきん)栄(はな)さく。 是の月や、火を南方に用うること毋かれ。以て高明に居るべく、以て遠く眺望すべく、以て山陵に升(のぼ)るべく、以て台榭(だいしゃ)に処るべし。 仲夏に冬の令を行えば、則ち雹凍(はくとう)穀を傷り、道路通ぜず、暴兵来たり至る。春の令を行えば、則ち五穀晩く熟し、百螣(ひゃくとく)時に起こり、其の国乃ち饑う。秋の令を行えば、則ち草木零落し、果実早く成り、民疫に殃(わざわい)せらる。
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呂氏春秋・季夏①季夏の月。日は柳に在り、昏に心中し、旦に奎中す。其の日は丙丁、其の帝は炎帝、其の神は祝融、其の蟲は羽、其の音は徵、律は林鐘に中る。其の數は七、其の味は苦、其の臭は焦。其の祀は竈、祭るには肺を先にす。涼風始めて至り、蟋蟀、宇に居り、鷹乃ち學習し、腐草、化して蚈と為る。天子、明堂の右个に居り、朱輅に乘り、赤騮を駕し、赤旂を載て、朱衣を衣、赤玉を服び、菽と鶏とを食らう。其の器は高にして以て觕なり。
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呂氏春秋・季夏⑤是の月や、樹木方に盛んにして、陰將に始めて刑せんとすれば、乃ち虞人に命じて山に入り木を行り、斬伐すること或る無からしむ。以て土功を興す可からず、以て諸侯を合す可からず、以て兵を起こし衆を動かす可からず。大事を舉げて、以て氣を將陽すること無かれ。令を發して時を干し、以て神農の事を妨ぐること無かれ。水潦盛昌なれば、神農に命じて、將て功を巡らしむ。大事を舉ぐれば、則ち天殃有り。
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『淮南子』時則訓仲夏の月、招搖は午を指し、昏に亢中し、旦に危中す。其の位は南方、其の日は丙丁、其の蟲は羽、其の音は徵、律は蕤賓に中たり、其の數は七、其の味は苦、其の臭は焦、其の祀は灶、祭には肺を先にす。小暑至り、螳蜋生じ、鵙始めて鳴き、反舌聲無し。天子は赤衣を衣、赤騮に乘り、赤玉を服し、赤旗を載て、菽と雞とを食らい、八風の水を服し、柘を爨き火を燧り、南宮の御女は赤色、赤采を衣、竽笙を吹き、其の兵は戟、其の畜は雞、明堂の太廟に朝す。樂師に命じ、鞀鼙琴瑟管簫を修め、竽篪を調え、鐘磬を飾り、干戚戈羽を執らしむ。有司に命じ、民の爲に山川百源に祈祀し、大いに帝に雩し、盛樂を用いしむ。天子雉を以て黍を嘗め、羞むるに含桃を以てし、先ず寢廟に薦む。民に禁じて藍を刈りて以て染むる無からしめ、灰を燒く毋く、布を暴す毋く、門閭閉ずる無く、關市索むる無く、重囚を挺め、其の食を益し、鰥寡を存し、死事を振わし、游牝は其の群を別ち、騰駒を執え、馬政を班かつ。日長きこと至り、陰陽爭い、死生分かる。君子齋戒し、身を慎みて躁がしくする無く、聲色を節し、滋味を薄くし、百官靜かに、事に徑する無く、以て晏陰の成る所を定む。鹿角解け、蟬始めて鳴き、半夏生じ、木堇榮ゆ。民に禁じて火を發する無からしめ、以て高明に居り、遠く眺望し、丘陵に登り、臺榭に處る可し。仲夏に冬令を行えば、則ち雹霰穀を傷り、道路通ぜず、暴兵來至す。春令を行えば、則ち五穀孰せず、百螣時に起こり、其の國乃ち饑う。秋令を行えば、則ち草木零落し、果實蚤く成り、民疫に殃わる。五月は相を官とし、其の樹は榆なり。

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