呂氏春秋 / 孟夏③
是月也,繼長增高,無有壞隳。無起土功,無發大眾,無伐大樹。
新字:是月也,継長增高,無有壊隳。無起土功,無発大眾,無伐大樹。
書き下し
是の月や、長きを繼ぎ高さを增し、壞隳すること有る無からしむ。土功を起こすこと無く、大衆を發すること無く、大樹を伐ること無からしむ。
現代語訳
この月には、万物が伸び育つのを引き継ぎ高くしてやり、壊し損なうことがあってはならない。土木工事を起こしてはならず、多くの民衆を動員してはならず、大木を伐ってはならない。
解説
この段は、初夏という万物が生長する季節に、その生長を妨げないための禁令を述べます。伸び育つものを助け、壊したり損なったりしないこと、土木工事で人手を奪わず、大勢を動員せず、大木を伐らないことが要点です。背景には、季節ごとに天地の気にかなった政治を行うべきだとする月令思想があり、夏は生長を助ける時季なので、それに逆らう破壊や大規模動員を慎むべきだと考えられました。農繁期に民力を損なわない配慮でもあります。現代でも、成長を促すべき局面ではあえて手を加えすぎず、環境や資源を消耗させないという発想として読むことができ、持続可能性を重んじる姿勢の原型といえます。
この章句が説くこと
生長夏禁令土功農繁期月令
関連する章句
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呂氏春秋・季夏⑤是の月や、樹木方に盛んにして、陰將に始めて刑せんとすれば、乃ち虞人に命じて山に入り木を行り、斬伐すること或る無からしむ。以て土功を興す可からず、以て諸侯を合す可からず、以て兵を起こし衆を動かす可からず。大事を舉げて、以て氣を將陽すること無かれ。令を發して時を干し、以て神農の事を妨ぐること無かれ。水潦盛昌なれば、神農に命じて、將て功を巡らしむ。大事を舉ぐれば、則ち天殃有り。
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呂氏春秋・孟春⑤是の月や、樂正に命じ、學に入り舞を習わしむ。乃ち祭典を修め、命じて山林川澤を祀るに、犠牲は牝を用いること無からしむ。伐木を禁止し、巣を覆すこと無く、孩蟲・胎夭・飛鳥を殺すこと無く、麛とること無く、卵とること無く、大衆を聚むること無く、城郭を置くこと無く、骼を揜い髊を霾めしむ。
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呂氏春秋・仲春②是の月や、萌牙を安んじ、幼少を養い、諸孤を存む。元日を擇び、人に命じて社せしむ。有司に命じて囹圄を省き、桎梏を去り、肆掠無く、獄訟を止ましむ。
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呂氏春秋・孟春⑦孟春に夏の令を行えば、則ち風雨時ならず、草木旱槁し、國乃ち恐有り。秋の令を行えば、則ち民大いに疫し、疾風暴雨數々至り、藜莠蓬蒿竝び興る。冬の令を行えば、則ち水潦敗を為し、霜雪大いに摯り、首種入らず。
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呂氏春秋・孟秋⑤是の月や、以て侯を封じ、大官を立つること無かれ。土地を割き、重幣を行い、大使を出だすこと無かれ。
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呂氏春秋・孟冬⑧孟冬に春の令を行えば、則ち凍閉密ならず、地氣發泄し、民多く流亡す。夏の令を行えば、則ち國に暴風多く、冬に方りて寒からず、蟄蟲復た出づ。秋の令を行えば、則ち雪霜時ならず、小兵時に起こり、土地侵削せらる。