呂氏春秋 / 盡數②
精氣之集也,必有入也。集於羽鳥與為飛揚,集於走獸與為流行,集於珠玉與為精朗,集於樹木與為茂長,集於聖人與為敻明。精氣之來也,因輕而揚之,因走而行之,因美而良之,因長而養之,因智而明之。
新字:精気之集也,必有入也。集於羽鳥与為飛揚,集於走獣与為流行,集於珠玉与為精朗,集於樹木与為茂長,集於聖人与為敻明。精気之来也,因軽而揚之,因走而行之,因美而良之,因長而養之,因智而明之。
書き下し
精氣の集まるや、必ず入るところ有るなり。羽鳥に集まれば、與に飛揚を為し、走獸に集まれば、與に流行を為し、珠玉に集まれば、與に精朗を為し、樹木に集まれば、與に茂長を為し、聖人に集まれば、與に夐明と為す。精氣の來たるや、輕きに因りて之を揚げ、走に因りて之を行り、美に因りて之を良くし、長に因りて之を養い、智に因りて之を明らかにす。
現代語訳
精気が集まるときは、必ず入り込む対象がある。鳥に集まれば飛翔となり、走る獣に集まれば疾走となり、珠玉に集まれば輝きとなり、樹木に集まれば繁茂となり、聖人に集まれば聡明さとなる。精気が来るときは、軽いものにはそれを高く揚げさせ、走るものには走らせ、美しいものはさらに良くし、成長するものは養い育て、知あるものはその知恵を明らかにする。
解説
精気(生命エネルギー)が宿る対象に応じてさまざまな働きとして現れることを述べています。同じ精気でも、鳥に宿れば飛翔、獣に宿れば疾走、玉に宿れば輝き、樹木に宿れば繁茂、聖人に宿れば聡明さとなり、それぞれの素質を引き出すと説きます。精気は対象の持ち味に沿って良さを伸ばすという考え方です。現代に置き換えれば、同じ資源や活力も、それを受ける人や物の特性によって発揮のされ方が変わるということです。各人の適性に合わせて力を引き出す育成や配置の発想として読むと、組織づくりにも通じる示唆があります。
この章句が説くこと
精気羽鳥走獣珠玉聖人適性
関連する章句
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伝習録・答陸原静書来書に云う、「前日の精一の論は、即ち聖を作すの功なりや否や」と。「精一」の「精」は理を以て言う。「精神」の「精」は気を以て言う。理なる者は、気の条理なり。気なる者は、理の運用なり。条理無くんば則ち運用する能わず。運用無くんば則ち亦た以て其の所謂る条理なる者を見る無し。精なれば則ち精、精なれば則ち明、精なれば則ち一、精なれば則ち神、精なれば則ち誠なり。一なれば則ち精、一なれば則ち明、一なれば則ち神、一なれば則ち誠なり。原と二事有るに非ざるなり。但だ後世の儒者の説と養生の説と、各々一偏に滞る。是を以て相い用を為さず。前日の「精一」の論は、原静の精神を愛養するが為に発すと雖も、然り而して聖を作すの功も、実に亦た是に外ならざるなり。
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呂氏春秋・盡數①天、陰陽を生じるや、寒暑燥溼、四時の化、萬物の變、利為らざるは莫く、害為らざるは莫し。聖人、陰陽の宜しきを察し、萬物の利を辧じて、以て生に便ず。故に精・神は形に安んじて、年壽長きを得。長しとは、短くして之を續ぐに非ざるなり。其の數を畢くすなり。數を畢くすの務めは、害を去るに在り。何をか害を去ると謂う。大甘・大酸・大苦・大辛・大鹹、五者、形に充つれば、則ち生害せらる。大喜・大怒・大憂・大恐・大哀、五者、神に接すれば、則ち生害せらる。大寒・大熱・大燥・大溼・大風・大霖・大霧、七者精を動かせば、則ち生害せらる。故に凡そ生を養うは、本を知るに若くは莫し。本を知れば則ち疾由りて至ること無し。
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呂氏春秋・精通①人に兔絲は根無しと謂うもの或り。兔絲は根無きに非ざるなり。其の根屬ならざるなり。伏苓是れなり。慈石の鐵を召ぶは、之を引く或るなり。樹相近づきて靡くは、之を軵す或るなり。聖人南面して立てば、民を愛利するを以て心と為す。號令未だ出でずして天下皆頸を延べ踵を舉ぐるは、則ち精、民に通ずればなり。夫れ人を賊害すれば、人も亦た然り。
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呂氏春秋・盡數③流水は腐らず、戶樞螻せざるは、動けばなり。形氣も亦た然り。形動かざれば則ち精流れず。精流れざれば則ち氣鬱す。鬱、頭に處れば則ち腫を為し風を為す。耳に處れば則ち挶を為し聾を為す。目に處れば則ち䁾を為し盲を為す。鼻に處れば則ち鼽を為し窒を為す。腹に處れば則ち張を為し府を為す。足に處れば則ち痿を為し蹶を為す。
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呂氏春秋・本生④萬人、弓を操り、共に一招を射れば、招に中らざる無し。萬物章章として、以て一の生を害すれば、生傷なわれざる無く、以て一の生を便ならしむれば、生長からざる無し。故に聖人の萬物を制するや、以て其の天を全くするなり。天全ければ則ち神和し、目明らかに、耳聡く、鼻臭に、口敏に、三百六十節皆利に通ず。此くの若きの人は、言わずして信、謀らずして當り、慮らずして得、精は天地に通じ、神は宇宙を覆う。其の物に於けるや、受けざる無く、裹まざる無きこと、天地の若く然り。上は天子と為りて驕らず、下は匹夫と為りて惛えず。此を之れ全徳の人と謂う。
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呂氏春秋・季春③是の月や、生氣方に盛んにして、陽氣發泄し、生者畢く出で、萌者盡く達して、以て內る可からず。天子、德を布き惠を行い、有司に命じて、倉窌を發して、貧窮に賜い、乏絕を振い、府庫を開きて、幣帛を出だし、天下に周からしむ。諸侯に勉めて、名士を聘し、賢者を禮せしむ。