呂氏春秋 / 孟春④
是月也,天氣下降,地氣上騰,天地和同,草木繁動。王布農事:命田舍東郊,皆修封疆,審端徑術,善相丘陵阪險原隰,土地所宜,五穀所殖,以教道民,必躬親之。田事既飭,先定準直,農乃不惑。
新字:是月也,天気下降,地気上騰,天地和同,草木繁動。王布農事:命田舎東郊,皆修封疆,審端径術,善相丘陵阪険原隰,土地所宜,五穀所殖,以教道民,必躬親之。田事既飭,先定準直,農乃不惑。
書き下し
是の月や、天の気は下降し、地の気は上騰し、天地和同して、草木繁動す。王、農事を布く。田に命じて東郊に舎せしむ。皆封疆を修め、審らかに徑術を端し、善く丘陵・阪險・原隰の、土地の宜しき所、五穀の殖する所を相て、以て民を教道し、必ず躬ら之を親しくせしむ。田事既に飭い、先づ準直を定むれば、農乃ち惑わず。
現代語訳
この月には、天の気が下り、地の気が上り、天地の気が和し合って、草木が盛んに動き出す。王は農事の指示を発する。田を管轄する官に命じて東の郊外に駐在させ、みな田畑の境界を整え、あぜ道を正し、丘陵・傾斜地・湿地などの地形をよく見きわめ、土地に適した作物、五穀の育つ場所を見定めて、民を指導させ、必ず自らその場に立ち会わせる。農作業の段取りが整い、まず基準(水準器と墨縄)を定めておけば、農民は迷うことなく働ける。
解説
春に天地の気が交わり草木が動き出すのに合わせて、農事の準備を整える段です。境界を直し、あぜ道を正し、土地の性質を見きわめて適した作物を割り当てる——農業の成否は季節の見立てと事前の段取りで決まる、という実務的な知恵が語られています。とりわけ「先づ準直を定むれば農乃ち惑わず」の一句が要です。最初に基準を明確にしておけば、現場は迷わず動ける、というのです。これは農業に限らず、あらゆる仕事に通じます。着手前に判断のものさしと段取りを定めておくことが、現場の混乱をなくし、成果を安定させる——仕組み化の発想にも重なる教えです。
この章句が説くこと
農事封疆径術準直五穀段取り
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