呂氏春秋 / 任地④
草諯大月。冬至後五旬七日,菖始生,菖者百草之先生者也,於是始耕。孟夏之昔,殺三葉而穫大麥。日至,苦菜死而資生,而樹麻與菽,此告民地寶盡死。凡草生藏日中出,狶首生而麥無葉,而從事於蓄藏,此告民究也。五時見生而樹生,見死而穫死。天下時,地生財,不與民謀。
新字:草諯大月。冬至後五旬七日,菖始生,菖者百草之先生者也,於是始耕。孟夏之昔,殺三葉而穫大麦。日至,苦菜死而資生,而樹麻与菽,此告民地宝尽死。凡草生蔵日中出,狶首生而麦無葉,而従事於蓄蔵,此告民究也。五時見生而樹生,見死而穫死。天下時,地生財,不与民謀。
書き下し
草は大月に諯む。冬至の後五旬七日にして、菖始めて生ず。菖は百草の先ず生ずる者なり。是に於て始めて耕す。孟夏の昔、三葉を殺して大麥を獲。日至に苦菜死して資生ずれば、麻と菽とを樹う。此に民に地寶の盡きたるを告ぐ。狶首生じて麥に葉無ければ、蓄藏に從事し、此に民に究わるを告ぐるなり。凡そ草の生藏するは日中に出づれば、五時に生を見て生を樹え、死を見て死を穫。天、時を下し、地、財を生ずるに、民と謀らず。
現代語訳
草は孟冬の大月にしぼんで枯れる。冬至の後五十七日たつと菖(しょうぶ)が生え始める。菖は百草の中で真っ先に芽生えるものである。このときから耕作を始める。初夏の終わりには、なずな類の三種の草を刈り取って大麦を収穫する。夏至になると苦菜(にがな)が枯れて薋(はまびし)が生えてくるので、麻と豆(菽)を植える。これは民に、その年の地の実り(地宝)が尽きようとしていることを告げるものである。狶首という草が生え、麦に葉がなくなったら、収穫物を蓄え収める仕事にかかる。これは民に、その年の農作業が終わることを告げるのである。およそ草が芽生えたり枯れたりするのは春分・秋分の日中に現れるので、四季を通じて草木の芽生えを見て作物を植え、枯れるのを見て作物を収穫する。天は時節を下し、地は作物(財)を生じるが、それはいちいち人間と相談してするわけではない(自然の運行に従え、の意)。
解説
この章句が説くこと
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呂氏春秋・任地⑤年有れば土を瘞り、年無きも土を瘞る。民時を失うこと無ければ、之をして下を治めしむること無し。貧富の利器を知れば、皆時至りて作し、時を渴して止む。是を以て老弱の力盡く起こす可し。其の日を用うること半ばにして、其の功倍せしむ可し。事を知らざる者は、時未だ至らずして之に逆らい、時既に往きて之を慕う。時に當たりて之を薄んじ、其の民をして之に郤らわしめ、民既に郤らえば、乃ち良時を以て慕う。此れ事に從うの下なり。事を操れば則ち苦しみ、高下を知らざれば、民は乃ち逾處す。稑禾を種うれども稑と為らず、重禾を種うれども重と為らず。是を以て粟少くして功を失う。
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呂氏春秋・審時①凡そ農の道は、時に厚きを寶と為す。木を斬ること時ならざれば、折れずんば必ず穗く。稼就って穫らざれば、必ず天の菑いに遇う。夫れ稼は之を為す者は人なり、之を生ずる者は地なり、之を養う者は天なり。是を以て人之を稼するに足を容れ、之を耨るに耨を容れ、之を據うに手を容る。此を之れ耕道と謂う。
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呂氏春秋・孟春④是の月や、天の気は下降し、地の気は上騰し、天地和同して、草木繁動す。王、農事を布く。田に命じて東郊に舎せしむ。皆封疆を修め、審らかに徑術を端し、善く丘陵・阪險・原隰の、土地の宜しき所、五穀の殖する所を相て、以て民を教道し、必ず躬ら之を親しくせしむ。田事既に飭い、先づ準直を定むれば、農乃ち惑わず。
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呂氏春秋・審時②是を以て時を得るの禾は、長秱長穗、大本にして莖殺ぎ、疏穖にして穗大なり。其の粟圓くして薄糠、其の米は沃多くして、之を食うに彊し。此の如き者は風せず。時に先だつ者は、莖葉、芒を帯びて以て短衡に、穗鉅いにして芳奪われ、秮米にして香からず。時に後るる者は、莖葉芒を帯びて末衡に、穗閱にして青零し、秕多くして滿たず。
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呂氏春秋・審時⑧是の故に時を得るの稼は興り、時を失うの稼は約す。莖相若く之を稱るに、時を得る者は重く、之を粟するに量多し。粟相若けば、之を舂くに、時を得る者は米量多し。米相若けば、之を食らうに、時を得る者は饑に忍う。是の故に時を得るの稼は、其の臭香しく、其の味甘く、其の氣章に、百日之を食らえば、耳目聰明に、心意叡智に、四衛變じて彊く、病氣入らず、身に苛殃無し。黃帝曰く、「四時は之を正せず、五穀を正すのみ。」
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呂氏春秋・孟春⑦孟春に夏の令を行えば、則ち風雨時ならず、草木旱槁し、國乃ち恐有り。秋の令を行えば、則ち民大いに疫し、疾風暴雨數々至り、藜莠蓬蒿竝び興る。冬の令を行えば、則ち水潦敗を為し、霜雪大いに摯り、首種入らず。