論語 / 子張篇
子夏曰:「君子有三變:望之儼然,卽之也溫,聽其言也厲。」
新字:子夏曰:「君子有三変:望之儼然,即之也温,聴其言也厲。」
書き下し
子夏曰く、君子に三変有り。之を望めば儼然たり、之に即けば温なり、其の言を聴けば厲し。
現代語訳
子夏が言った。「君子には三つの変化がある。遠くから見ると厳かで、近づいてみると温かく、その言葉を聞くと厳しい。」
解説
距離によって印象が変わる、という観察である。遠目には厳か、近づくと温かい、話を聞くと厳しい。順序が面白い。厳かさで人を遠ざけるのではなく、近づけば温かい。しかし温かいだけかと思えば、言うことは厳しい。三段階で印象が裏切られていく。この構造は、上に立つ人の望ましい在り方として読める。近寄りがたければ情報が入らず、温かいだけなら基準が緩む。両方を持ち、しかも言葉では妥協しない。実際には、この三つを同時に持つのは難しい。多くの人はどれか一つに固定される。厳しい人、優しい人、威厳のある人。固定されると、周囲の接し方も固定される。三変とは、相手や場面で変えることではなく、同じ人物が距離によって違って見えるということである。奥行きの話だ。
この章句が説くこと
三変距離印象奥行き子夏
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