論語 / 微子篇
周公謂魯公曰:「君子不施其親,不使大臣怨乎不以。故舊無大故,則不棄也,無求備於一人。」
新字:周公謂魯公曰:「君子不施其親,不使大臣怨乎不以。故旧無大故,則不棄也,無求備於一人。」
書き下し
周公、魯公に謂いて曰く、「君子は其の親を施てず、大臣をして以いられざるを怨ましめず。故旧、大故無くんば、則ち棄てざるなり。備わらんことを一人に求むること無かれ。」
現代語訳
周公が魯公におっしゃった。「君子は身内を見捨てない。重臣に、用いられないという怨みを抱かせない。古くからの馴染みは、大きな過ちが無い限り見捨てない。一人の人間に、何もかも備わっていることを求めない。」
解説
周公が息子に与えた四つの戒めである。どれも人を手放さないことに関わっている。身内を捨てない、重臣に不遇を感じさせない、古い付き合いを切らない、一人に完璧を求めない。四つ目が全体をまとめている。完璧を求めれば、必ず誰かが基準を下回り、切ることになるからだ。組織を率いる立場から見ると、これは効率の反対に見える。能力の低い人を抱え、古い関係を維持し、要求水準を下げる。短期の生産性は落ちる。だが、切られない安心がある組織では、人は長く力を出す。切られる可能性が常にある組織では、人は自分を守ることに力を使う。無求備於一人という一句は、子路篇の求備焉と同じ主題である。完璧を求めない設計が、結果として人を残す。
この章句が説くこと
周公人を残す完璧主義古参設計
関連する章句
-
『学問のすゝめ』十六編・心事と働きと相当すべきの論・心事と働きという二語を用いてさればこの議論と実業とは寸分も相齟齬せざるよう正しく平均せざるべからざるものなり。今、初学の人の了解に便ならしめんがため、人の心事と働きという二語を用いて、その互いに相助けて平均をなし、もって人間の益を致す所以と、この平均を失うよりして生ずるところの弊害を論ずること左のごとし。
-
『墨子』備高臨臨むに連弩の車を以てす。杖は大方一方一尺、長さは城の薄厚に稱う。兩軸三輪、輪は筐中に居り、下上の筐を重ぬ。左右の旁に二植、左右に衡植有り。衡植の左右、皆な圜内、内徑四寸。左右に弩を縳るは皆な植に於いてし、鈎を以て大弩の臂の前後に至りて筐と齊し。筐の髙さ八尺、弩軸は下筐を去ること三尺五寸。連弩の機郭は銅を同じくすること一石三十斤、鹿を引くこと長奴。筐の大いさ三圍半、左右に鉤距有り、方三寸、輪の厚さ尺二寸、銅距の臂は博さ尺四寸、厚さ七寸、長さ六尺。横臂は筐外に齊しく、蚤は尺五寸、距有り、博さ六寸、厚さ三寸、長さは筐の如し。儀有り、詘勝有り、上下す可し。武を為すに重さ一石、材の大いさ五寸を以てす。矢の長さ十尺、繩を以て矢端にし、戈を射るが如くす。□を以て卷き牧む。矢は弩臂を髙くすること三尺、弩を用うるに數無く、人を出だすこと六十枚、小矢を用うるに留むる無し。十人、此の車を主る。遂に寇を具え、髙樓を為りて以て道を射、城上、答を以て矢を羅む。
-
『墨子』公輸是に於いて公輸盤に見ゆ。子墨子、帶を解きて城と為し、牒を以て械と為す。公輸盤、九たび攻城の機變を設く。子墨子、九たび之を距ぐ。公輸盤の攻械、盡き、子墨子の守圉、餘り有り。公輸盤、詘して曰く、「吾れ子を距ぐ所以を知れり。吾れ言わず」と。子墨子も亦た曰く、「吾れ子の我を距ぐ所以を知れり。吾れ言わず」と。楚王、其の故を問う。子墨子曰く、「公輸子の意は、臣を殺さんと欲するに過ぎず。臣を殺さば、宋、能く守ること莫く、攻む可し。然れども臣の弟子禽滑釐等三百人、已に臣の守圉の器を持し、宋の城上に在りて楚の冦を待てり。臣を殺すと雖も、絶つこと能わざるなり」と。楚王曰く、「善いかな。吾れ請う、宋を攻むること無からん」と。
-
老子・第11章三十輻は一轂を共にす、其の無に当たりて、車の用有り。埴を埏ねて以て器と為す、其の無に当たりて、器の用有り。戸牖を鑿ちて以て室と為す、其の無に当たりて、室の用有り。故に有の以て利を為すは、無の以て用を為せばなり。
-
論語・顔淵篇子曰く、訟を聴くは、吾猶お人のごときなり。必ずや訟無からしめんか。
-
『墨子』魯問昔者、楚人と越人と江に舟戰す。楚人は流れに順いて進み、流れを迎えて退く。利を見て進み、不利を見れば則ち其の退くこと難し。越人は流れを迎えて進み、流れに順いて退く。利を見て進み、不利を見れば則ち其の退くこと速やかなり。越人、此に因り、若し函を執らば楚人を敗る。公輸子、魯より南のかた楚に遊び、焉に始めて舟戰の器を為り、鈎强の備えを作為す。退く者は之を鉤し、進む者は之を强む。其の鈎强の長さを量りて、制して之が兵を為る。楚の兵は節し、越の兵は節せず。楚人、此に因り、若し函を執らば越人を敗る。