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墨子 / 公輸

於是見公輸盤,子墨子解帶為城,以牒為械,公輸盤九設攻城之機變,子墨子九距之,公輸盤之攻械盡,子墨子之守圉有餘。公輸盤詘,而曰:「吾知所以距子矣,吾不言。」子墨子亦曰:「吾知子所以距我,吾不言。」楚王問其故,子墨子曰:「公輸子之意,不過欲殺臣。殺臣,宋莫能守,可攻也。然臣之弟子禽滑釐等三百人,已持臣守圉之器,在宋城上而待楚冦矣。雖殺臣,不能絶也。」楚王曰:「善哉!吾請無攻宋矣。」

新字:於是見公輸盤,子墨子解帯為城,以牒為械,公輸盤九設攻城之機変,子墨子九距之,公輸盤之攻械尽,子墨子之守圉有余。公輸盤詘,而曰:「吾知所以距子矣,吾不言。」子墨子亦曰:「吾知子所以距我,吾不言。」楚王問其故,子墨子曰:「公輸子之意,不過欲殺臣。殺臣,宋莫能守,可攻也。然臣之弟子禽滑釐等三百人,已持臣守圉之器,在宋城上而待楚寇矣。雖殺臣,不能絶也。」楚王曰:「善哉!吾請無攻宋矣。」

書き下し

是に於いて公輸盤に見ゆ。子墨子、帶を解きて城と為し、牒を以て械と為す。公輸盤、九たび攻城の機變を設く。子墨子、九たび之を距ぐ。公輸盤の攻械、盡き、子墨子の守圉、餘り有り。公輸盤、詘して曰く、「吾れ子を距ぐ所以を知れり。吾れ言わず」と。子墨子も亦た曰く、「吾れ子の我を距ぐ所以を知れり。吾れ言わず」と。楚王、其の故を問う。子墨子曰く、「公輸子の意は、臣を殺さんと欲するに過ぎず。臣を殺さば、宋、能く守ること莫く、攻む可し。然れども臣の弟子禽滑釐等三百人、已に臣の守圉の器を持し、宋の城上に在りて楚の冦を待てり。臣を殺すと雖も、絶つこと能わざるなり」と。楚王曰く、「善いかな。吾れ請う、宋を攻むること無からん」と。

現代語訳

そこで公輸盤に会った。墨子は帯を解いて城とし、木札を器械とした。公輸盤が九度、攻城の仕掛けを変えて攻めた。墨子は九度これを防いだ。公輸盤の攻城の手立ては尽き、墨子の守りにはまだ余りがあった。公輸盤は行き詰まって言った。「私はあなたを防ぐ方法を知っている。しかし言わない」。墨子もまた言った。「私はあなたが私を防ぐ方法を知っている。しかし言わない」。楚王がその意味を問うた。墨子が言った。「公輸子の考えは、私を殺すというだけのことです。私を殺せば宋は守れなくなり、攻められる。しかし私の弟子である禽滑釐ら三百人が、すでに私の守りの器械を持って宋の城壁の上におり、楚の攻撃を待っています。私を殺しても、断つことはできません」。楚王が言った。「よく分かった。宋を攻めるのはやめよう」。

解説

帯を城に見立て、木札を器械にして、机上で九度の攻防を行う。設計の優劣をその場で示す方法として、これ以上のものはありません。そして相手の最後の手——設計者を殺す——を先読みし、三百人がすでに現場にいると告げる。技術も論理も、それを支える人の備えがあってはじめて効く、ということです。

この章句が説くこと

設計実演備え非攻属人

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