墨子 / 備高臨
臨以連弩之車,杖大方一方一尺,長稱城之薄厚。兩軸三輪,輪居筐中,重下上筐。左右旁二植,左右有衡植,衡植左右皆圜内,内徑四寸。左右縳弩皆於植,以鈎至於大弩臂前後與筐齊,筐髙八尺,弩軸去下筐三尺五寸。連弩機郭同銅一石三十斤,引鹿長奴。筐大三圍半,左右有鉤距,方三寸,輪厚尺二寸,銅距臂博尺四寸,厚七寸,長六尺。横臂齊筐外,蚤尺五寸,有距,博六寸,厚三寸,長如筐。有儀,有詘勝,可上下。為武,重一石,以材大圍五寸。矢長十尺,以繩矢端,如如戈射,以□卷牧矢髙弩臂三尺,用弩無數,出人六十枚,用小矢無留。十人主此車,遂具寇,為髙樓以射道,城上以答羅矢。
新字:臨以連弩之車,杖大方一方一尺,長称城之薄厚。両軸三輪,輪居筐中,重下上筐。左右旁二植,左右有衡植,衡植左右皆圜内,内径四寸。左右縳弩皆於植,以鈎至於大弩臂前後与筐斉,筐高八尺,弩軸去下筐三尺五寸。連弩機郭同銅一石三十斤,引鹿長奴。筐大三囲半,左右有鉤距,方三寸,輪厚尺二寸,銅距臂博尺四寸,厚七寸,長六尺。横臂斉筐外,蚤尺五寸,有距,博六寸,厚三寸,長如筐。有儀,有詘勝,可上下。為武,重一石,以材大囲五寸。矢長十尺,以縄矢端,如如戈射,以□巻牧矢高弩臂三尺,用弩無数,出人六十枚,用小矢無留。十人主此車,遂具寇,為高楼以射道,城上以答羅矢。
書き下し
臨むに連弩の車を以てす。杖は大方一方一尺、長さは城の薄厚に稱う。兩軸三輪、輪は筐中に居り、下上の筐を重ぬ。左右の旁に二植、左右に衡植有り。衡植の左右、皆な圜内、内徑四寸。左右に弩を縳るは皆な植に於いてし、鈎を以て大弩の臂の前後に至りて筐と齊し。筐の髙さ八尺、弩軸は下筐を去ること三尺五寸。連弩の機郭は銅を同じくすること一石三十斤、鹿を引くこと長奴。筐の大いさ三圍半、左右に鉤距有り、方三寸、輪の厚さ尺二寸、銅距の臂は博さ尺四寸、厚さ七寸、長さ六尺。横臂は筐外に齊しく、蚤は尺五寸、距有り、博さ六寸、厚さ三寸、長さは筐の如し。儀有り、詘勝有り、上下す可し。武を為すに重さ一石、材の大いさ五寸を以てす。矢の長さ十尺、繩を以て矢端にし、戈を射るが如くす。□を以て卷き牧む。矢は弩臂を髙くすること三尺、弩を用うるに數無く、人を出だすこと六十枚、小矢を用うるに留むる無し。十人、此の車を主る。遂に寇を具え、髙樓を為りて以て道を射、城上、答を以て矢を羅む。
現代語訳
見下ろされたときには連弩の車で応じる。柱は一尺角で、長さは城壁の厚さに合わせる。二本の軸と三つの輪、輪は枠の中に収め、上下の枠を重ねる。左右に二本の柱、左右に横木の柱がある。横木の柱の左右はどちらも丸い穴で、内径は四寸。左右の弩はどちらも柱に縛りつけ、鉤で大弩の腕の前後に届かせて枠と揃える。枠の高さは八尺、弩の軸は下の枠から三尺五寸離す。連弩の機構は銅を一石三十斤使い、巻き上げ具で引く。枠の太さは三抱え半、左右に鉤の受けがあり、三寸角、輪の厚さは一尺二寸、銅の受けの腕は幅一尺四寸、厚さ七寸、長さ六尺。横木の腕は枠の外と揃え、爪は一尺五寸、受けがあり、幅六寸、厚さ三寸、長さは枠と同じ。照準があり、上下に動かせる。おもりは重さ一石、太さ五寸の材を使う。矢の長さは十尺、縄を矢の端に付け、戈を射るようにする。縄で巻き取って回収する。矢は弩の腕より三尺高くし、弩を用いる回数に限りはなく、一度に六十本を放ち、小さい矢は回収しない。十人でこの車を担当する。そして敵に備え、高い楼を作って道を射させ、城壁の上では覆いで矢を受け止める。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『墨子』公輸是に於いて公輸盤に見ゆ。子墨子、帶を解きて城と為し、牒を以て械と為す。公輸盤、九たび攻城の機變を設く。子墨子、九たび之を距ぐ。公輸盤の攻械、盡き、子墨子の守圉、餘り有り。公輸盤、詘して曰く、「吾れ子を距ぐ所以を知れり。吾れ言わず」と。子墨子も亦た曰く、「吾れ子の我を距ぐ所以を知れり。吾れ言わず」と。楚王、其の故を問う。子墨子曰く、「公輸子の意は、臣を殺さんと欲するに過ぎず。臣を殺さば、宋、能く守ること莫く、攻む可し。然れども臣の弟子禽滑釐等三百人、已に臣の守圉の器を持し、宋の城上に在りて楚の冦を待てり。臣を殺すと雖も、絶つこと能わざるなり」と。楚王曰く、「善いかな。吾れ請う、宋を攻むること無からん」と。
-
老子・第11章三十輻は一轂を共にす、其の無に当たりて、車の用有り。埴を埏ねて以て器と為す、其の無に当たりて、器の用有り。戸牖を鑿ちて以て室と為す、其の無に当たりて、室の用有り。故に有の以て利を為すは、無の以て用を為せばなり。
-
『墨子』備梯守りては行堞を為る。堞の髙さは六尺にして一等、劒を亦の面に施し、機を以て之を發す。衝、至らば則ち之を去り、至らざれば則ち之を施す。爵穴、三尺にして一つ。蒺黎の投は必ず遂げて立て、車を以て之を推し引く。裾を城外にし、城を去ること十尺、裾の厚さ十尺。裾を伐るに、小大、盡く之を本斷し、十尺を以て傳と為し、雜えて深く之を埋め、堅く築き、拔く可からしむる毋かれ。二十步に一殺、殺に一鬲有り、鬲の厚さ十尺。殺に兩門有り、門の廣さ五尺。裾門は一施し、淺く埋めて築く勿かれ、易く㧞かしむ。
-
論語・顔淵篇子曰く、訟を聴くは、吾猶お人のごときなり。必ずや訟無からしめんか。
-
『墨子』魯問昔者、楚人と越人と江に舟戰す。楚人は流れに順いて進み、流れを迎えて退く。利を見て進み、不利を見れば則ち其の退くこと難し。越人は流れを迎えて進み、流れに順いて退く。利を見て進み、不利を見れば則ち其の退くこと速やかなり。越人、此に因り、若し函を執らば楚人を敗る。公輸子、魯より南のかた楚に遊び、焉に始めて舟戰の器を為り、鈎强の備えを作為す。退く者は之を鉤し、進む者は之を强む。其の鈎强の長さを量りて、制して之が兵を為る。楚の兵は節し、越の兵は節せず。楚人、此に因り、若し函を執らば越人を敗る。
-
論語・郷党篇君子は紺緅を以て飾らず、紅紫は以て褻服と為さず。暑に当たりては、袗の絺綌、必ず表して之を出だす。緇衣には羔裘、素衣には麑裘、黄衣には狐裘。褻裘は長く、右袂を短くす。必ず寝衣有り、長さ一身有半。狐貉の厚きを以て居る。喪を去れば、佩びざる所無し。帷裳に非ざれば、必ず之を殺す。羔裘玄冠して、以て弔せず。吉月には、必ず朝服して朝す。