論語 / 陽貨篇
孺悲欲見孔子,孔子辭以疾。將命者出戶,取瑟而歌,使之聞之。
新字:孺悲欲見孔子,孔子辞以疾。将命者出戸,取瑟而歌,使之聞之。
書き下し
孺悲、孔子に見えんと欲す。孔子辞するに疾を以てす。命を将う者、戸を出づ。瑟を取りて歌い、之をして之を聞かしむ。
現代語訳
孺悲が孔子に会いたいと願い出た。孔子は病気を理由に断られた。取次ぎの者が部屋を出た。そのとき孔子は瑟を手に取って歌い、その音を孺悲に聞こえるようにされた。
解説
病気だと言って断り、直後にわざと歌声を聞かせた。仮病であることを、相手に分からせている。乱暴なやり方に見えるが、意図的である。ただ断れば、相手は理由が分からず、また来る。仮病だと分かれば、会いたくないのだと伝わる。傷つけることを承知で、意思を明確にした。孔子が孺悲を退けた理由は伝わっていない。ただ、この方法を選んだことの意味は考えられる。曖昧に断り続けるほうが、相手にとっては残酷なことがある。期待を残したまま断られ続ければ、相手は時間を浪費する。孔子は一度で終わらせた。角が立つやり方だが、後を引かない。断り方には、傷つけない方法と、はっきりさせる方法がある。どちらを選ぶかは、その後の関係をどうしたいかで決まる。
この章句が説くこと
拒絶仮病明確さ断り方孺悲
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