論語 / 衛霊公篇
子曰:「君子矜而不爭,群而不黨。」
新字:子曰:「君子矜而不争,群而不党。」
書き下し
子曰く、君子は矜にして争わず、群して党せず。
現代語訳
先生がおっしゃった。「君子は誇りを持つが争わない。人と交わるが徒党を組まない。」
解説
二つの対句が、微妙な線を示している。誇りと争い、交わりと徒党。それぞれ、一歩踏み出すと別のものになる。誇りは自分の内側の基準だが、争いは他人との比較になる。交わりは開かれた関係だが、徒党は閉じた利害の集まりになる。どちらの境目も曖昧で、当人には見分けにくい。実務でこの線を引くには、判断の材料を意識するとよい。自分の主張を通したいのか、正しい結論に至りたいのか。前者なら争いになっている。集まっている人たちの間に、外部に対する利害の一致があるかどうか。あるなら徒党に近い。誇りを持つことも人と交わることも必要であり、放棄する必要はない。ただ、その一歩先に別のものがあると知っていれば、越えたときに気づける。