論語 / 憲問篇
闕黨童子將命。或問之曰:「益者與?」子曰:「吾見其居於位也,見其與先生並行也,非求益者也,欲速成者也。」
新字:闕党童子将命。或問之曰:「益者与?」子曰:「吾見其居於位也,見其与先生並行也,非求益者也,欲速成者也。」
書き下し
闕党の童子、命を将う。或るひと之を問いて曰く、「益する者か。」子曰く、「吾其の位に居るを見るなり、其の先生と並び行くを見るなり。益を求むる者に非ざるなり、速やかに成らんことを欲する者なり。」
現代語訳
闕の里の少年が、取次ぎの用を務めていた。ある人が尋ねた。「あの子は伸びる子でしょうか。」先生はおっしゃった。「私はあの子が大人の席に座っているのを見た。年長者と肩を並べて歩いているのも見た。あれは学んで伸びようとしている者ではない。早く一人前になりたがっている者だ。」
解説
少年の資質を、二つの振る舞いから判断している。座るべきでない席に座り、年長者と並んで歩く。どちらも、実力より先に地位を取りに行く動作である。孔子はそこから、学ぶ気ではなく早く認められたい気だと読んだ。求益と欲速成の対比が鋭い。伸びようとする人は、まだ足りない自分を前提にしている。早く成りたい人は、既に足りている扱いを求める。前者は学ぶ余地を残し、後者は塞ぐ。若手を見るときの視点として、そのまま使える。有能で意欲的に見える人が、実は評価の獲得に向いているだけということはある。見分ける手がかりは、成果ではなく、日常の位置取りに現れる。自分を実際より上に置きたがるかどうかである。
この章句が説くこと
求益欲速成若手位置取り見極め
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