論語 / 憲問篇
子路宿於石門。晨門曰:「奚自?」子路曰:「自孔氏。」曰:「是知其不可而爲之者與?」
新字:子路宿於石門。晨門曰:「奚自?」子路曰:「自孔氏。」曰:「是知其不可而為之者与?」
書き下し
子路、石門に宿す。晨門曰く、「奚よりぞ。」子路曰く、「孔氏よりす。」曰く、「是れ其の不可なるを知りて之を為す者か。」
現代語訳
子路が石門で一夜を明かした。門番が「どこから来たのか」と尋ねた。子路は「孔氏のところからだ」と答えた。門番は言った。「ああ、あの、できないと知りながらやっている人か。」
解説
名も無い門番の一言が、孔子という人物を最も正確に言い当てたと言われる。知其不可而爲之。できないと分かっていて、それでもやる。称賛でも批判でもない、事実の指摘である。だからこそ重い。この一句は、合理的な判断とは別の原理で動く人の存在を示している。できるからやる、という基準で動く人は多い。効果が見込めるから投資し、勝てるから戦う。それが普通であり、賢い。孔子はその基準の外にいた。やるべきだからやる、という原理である。事業でも、この二つの原理は混ざっている。採算が合うからやる仕事と、採算に関係なくやると決めた仕事。後者を一つも持たない組織は、効率的だが、何のためにあるのか説明できなくなる。
この章句が説くこと
知其不可使命合理原理孔子
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