論語 / 子路篇
葉公問政。子曰:「近者說,遠者來。」
新字:葉公問政。子曰:「近者説,遠者来。」
書き下し
葉公、政を問う。子曰く、「近き者説び、遠き者来る。」
現代語訳
葉公が政治について尋ねた。先生はおっしゃった。「近くにいる者が喜び、遠くにいる者がやって来ることです。」
解説
政治の成果を、二つの現象で定義している。近くの人が喜び、遠くの人が集まってくる。制度でも数字でもなく、人の動きで測る。しかも順序がある。まず近くの人が喜ぶこと。それが伝わって、遠くの人が来る。逆はない。この順序は、事業や組織の評価にそのまま使える。採用に苦労している会社の多くは、遠くの人を集める工夫に力を注ぐ。だが、近くにいる人が喜んでいなければ、遠くから来た人もすぐ離れる。近者説は、遠者来の前提条件である。しかも近くの人の状態は、外からは見えにくいが、確実に伝わる。退職した人が何を語るか、取引先が周囲に何を言うか。遠くの人が来るかどうかは、その総和で決まる。指標として、これほど簡潔で誤魔化しの効かないものは少ない。