論語 / 子路篇
子曰:「苟有用我者,期月而已可也,三年有成。」
書き下し
子曰く、苟くも我を用うる者有らば、期月にして已に可なり。三年にして成る有らん。
現代語訳
先生がおっしゃった。「もし私を用いる者があれば、一年でそれなりの形になる。三年あれば成し遂げてみせる。」
解説
用いられなかった孔子の、強い自負である。しかも期間を具体的に区切っている。一年で形、三年で完成。曖昧な自信ではなく、工程の見積もりとして語られている。これは重要な違いだ。任せてほしいと言うだけの人と、いつまでに何ができるかを言える人では、任せる側の判断材料がまるで違う。自負を語るときの形として学ぶところがある。できます、という表明には検証がない。一年でここまで、三年でここまでと言えば、任せた側は途中で確認でき、外れれば責任を問える。逆に言えば、期間を切れないなら、その自負は根拠が薄い可能性がある。孔子は用いられなかったが、いつでも受けられる見積もりを持っていた。機会が来たときに動けるのは、そういう人である。