論語 / 顔淵篇
齊景公問「政」於孔子。孔子對曰:「君君,臣臣,父父,子子。」公曰:「善哉!信如君不君,臣不臣,父不父,子不子,雖有粟,吾得而食諸?」
新字:斉景公問「政」於孔子。孔子対曰:「君君,臣臣,父父,子子。」公曰:「善哉!信如君不君,臣不臣,父不父,子不子,雖有粟,吾得而食諸?」
書き下し
斉の景公、政を孔子に問う。孔子対えて曰く、「君君たり、臣臣たり、父父たり、子子たり。」公曰く、「善いかな。信に如し君君たらず、臣臣たらず、父父たらず、子子たらずんば、粟有りと雖も、吾得て諸を食らわんや。」
現代語訳
斉の景公が孔子に政治について尋ねた。孔子はお答えした。「君主が君主らしく、臣下が臣下らしく、父が父らしく、子が子らしくあることです。」景公は言った。「よい言葉だ。まことに、君主が君主らしくなく、臣下が臣下らしくなく、父が父らしくなく、子が子らしくなければ、蔵に穀物があっても、私はそれを食べることができようか。」
解説
八字だけの答えである。それぞれが自分の役割にふさわしくあること。抽象的に見えるが、景公の返答がその意味を実際的にしている。役割が崩れれば、穀物があっても食べられない。つまり秩序が失われれば、蓄えは意味を持たないという理解である。ここで注意したいのは、孔子が身分の固定を説いたのではないことだ。君君たり、とは君主が君主の務めを果たすことを指す。地位にいることと、その務めを果たすことは別である。組織に置き換えれば分かりやすい。役職者が役職の務めを果たさなければ、組織図は正しくても機能しない。肩書きだけが残って中身が抜けている状態は、どの会社にもある。役割の名前を呼ぶことは、その中身を問うことでもある。
この章句が説くこと
名分役割秩序君臣務め
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