古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

論語 / 先進篇

季路問事鬼神。子曰:「未能事人,焉能事鬼?」「敢問死?」曰:「未知生,焉知死?」

書き下し

季路、鬼神に事うるを問う。子曰く、「未だ人に事うること能わず、焉んぞ能く鬼に事えん。」「敢えて死を問う。」曰く、「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。」

現代語訳

季路(子路)が、鬼神(死者の霊や神々)に仕えることについてお尋ねした。先生がおっしゃった。「まだ人に仕えることもできないのに、どうして霊に仕えることができようか。」(子路が言った。)「あえて死についてお尋ねします。」(先生が)おっしゃった。「まだ生のこともわからないのに、どうして死がわかろうか。」

解説

二つの問いを、同じ形で返している。先にあるものが分かっていないのに、後のものを問うな、という順序の指摘である。冷たい拒絶に見えるが、実際には問いの立て方を直している。死や霊は答えの検証ができない。一方、人に仕えること、生を知ることは、今日から取り組める。孔子は答えを拒んだのではなく、取り組める側へ問いを差し替えた。実務でもよくある構図だ。将来の大きな不確実性について議論に時間を使い、目の前の確実な課題が手つかずのままになる。十年後の市場を論じる前に、今期の顧客を知っているか。壮大な問いは知的で魅力的だが、順序を飛ばした問いは答えが出ない。答えの出る問いから片づけるのが、孔子の一貫した態度である。

論語の全501章を、手元に置ける一覧に。

全章の原文・書き下し・現代語訳を篇の順に並べた印刷用PDF(A4・約130頁)。よく引かれる名言43句には★と一覧表付き。480円。

中身を見る

この章句が説くこと

順序生死鬼神問いの立て方実践

関連する章句

論語の全501章を原文・書き下し・現代語訳で一覧に(PDF・480円)中身を見る