論語 / 泰伯篇
子曰:「好勇疾貧,亂也。人而不仁,疾之已甚,亂也。」
新字:子曰:「好勇疾貧,乱也。人而不仁,疾之已甚,乱也。」
書き下し
子曰く、勇を好みて貧を疾むは、乱なり。人にして不仁なる、之を疾むこと已甚だしきは、乱なり。
現代語訳
先生がおっしゃった。「勇ましさを好む者が貧しさを憎めば、世は乱れる。仁のない人間を、あまりにひどく憎めば、これもまた世を乱す。」
解説
乱れの原因を二つ挙げているが、二つ目が意外である。悪を憎むことが乱れを生む、と言っている。仁の無い者を憎むのは正しい感情のはずだ。それでも度を越せば、憎まれた側は追い詰められ、開き直る。逃げ場を失った人間は、失うものが無くなるので、より過激に動く。だから憎悪の強度そのものが、乱の原因になる。組織の中でも同じことが起きる。問題のある人物を追い詰めすぎると、その人は反省ではなく反撃に向かう。処分にも、行き過ぎれば逆効果になる範囲がある。一つ目の指摘も鋭い。血気にはやる者が貧しさに耐えられなくなったとき、暴発する。つまり乱れは、悪意からではなく、追い詰められた状態から生まれる。誰を追い詰めているかを見るのが、秩序を保つ側の仕事になる。
この章句が説くこと
乱憎悪追い詰め秩序寛容
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