論語 / 泰伯篇
曾子曰:「可以託六尺之孤,可以寄百里之命,臨大節而不可奪也。君子人與?君子人也!」
新字:曽子曰:「可以託六尺之孤,可以寄百里之命,臨大節而不可奪也。君子人与?君子人也!」
書き下し
曾子曰く、「以て六尺の孤を託す可く、以て百里の命を寄す可く、大節に臨みて奪う可からざるなり。君子人か、君子人なり。」
現代語訳
曾子が言った。「幼い君主を託すことができ、一国の政令を委ねることができ、重大な局面に臨んで志を奪われることがない。こういう人は君子と言えるだろうか。まさに君子である。」
解説
三つの条件が挙げられている。幼君を託せること、国政を委ねられること、そして大節において屈しないこと。前の二つは信頼の大きさ、最後の一つは圧力への強度を測っている。順に重くなり、最後で決定する構造だ。自問して自答する言い方も印象的で、疑いを一度置いてから断言している。事業の承継や重要な委任を考えるとき、この三段はそのまま使える。人柄がよく能力もある人は多い。だが、大きな圧力がかかったときに立場を変えない人は少ない。買収の圧力、大口顧客の要求、社内の派閥。そういう局面で何を守るかは、平時の観察では見えにくい。逆に言えば、一度でも大節を見た相手は、それだけで判断材料が揃う。託せるかどうかは、順境ではなく圧力の下で決まる。
この章句が説くこと
委任信頼大節承継君子
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