論語 / 公冶長篇
子在陳,曰:「歸與!歸與!吾黨之小子狂簡,斐然成章,不知所以裁之。」
新字:子在陳,曰:「帰与!帰与!吾党之小子狂簡,斐然成章,不知所以裁之。」
書き下し
子、陳に在りて曰く、「帰らんか、帰らんか。吾が党の小子狂簡、斐然として章を成すも、之を裁する所以を知らず。」
現代語訳
先生は陳の国におられたとき、こうおっしゃった。「帰ろう、帰ろう。故郷にいる若い門人たちは、志は大きいが行いが粗い。美しい模様は織り上げているのに、それをどう裁って形にするかを知らないでいる。」
解説
諸国を巡っても用いられなかった孔子が、帰国を決めた場面である。理由が挙げられているのが重要だ。若い弟子たちは素質がある。志も高く、光るものを織り上げてもいる。だが裁ち方を知らない。誰かが型を教えなければ、その布は服にならない、と孔子は見た。世に用いられることを追うより、次の世代を仕上げるほうが自分の仕事だと判断したのである。事業でも同じ選択が訪れる。自分で成果を取りに行き続けるのか、若い世代が形にできるよう仕上げに回るのか。素質のある人材が伸び悩むのは、能力が足りないからではなく、裁ち方を教わっていないからであることが多い。布を織る力と、服に仕立てる力は別である。後者は自然には身につかない。
この章句が説くこと
育成帰郷狂簡型世代交代
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