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驢鞍橋 / 卷下

或る人語て曰く、此前より、病中に終に病の惡いと云ひ玉ひたることなし、只此體の惡いと計り云ひ給ふと也。

新字:或る人語て曰く、此前より、病中に終に病の悪いと云ひ玉ひたることなし、只此体の悪いと計り云ひ給ふと也。

書き下し

或る人語て曰く、此前より、病中に終に病の悪いと云ひ玉ひたることなし、只此体の悪いと計り云ひ給ふと也。

現代語訳

ある人が語って言った。以前から、病気の間に、ついに病が悪いとおっしゃったことはない。ただこの体が悪い、とばかりおっしゃっていた、という。

解説

正三は病の間、一度も病気が悪いとは言わず、ただこの体が悪い、とだけ言っていた、とある人が語る。病を外から来た災いと見るのではなく、苦しみの根はこの身体そのもの、身体への執着にある、と見ていたからである。症状を嘆くのではなく、苦しみを生む根本に目を向け続けた。わずかな証言だが、正三の不浄観と身体への向き合い方が、日々の言葉遣いにまで貫かれていたことを伝えている。
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この章句が説くこと

病身体不浄観根本言葉遣い証言

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