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驢鞍橋 / 卷下

一日、殊勝に落ちたる道心者來るに示して曰く、佛道と云ふは、樊噲、張良を欺く程の心を用ゆること也、なにと合點めされたかと也。

新字:一日、殊勝に落ちたる道心者来るに示して曰く、仏道と云ふは、樊噲、張良を欺く程の心を用ゆること也、なにと合点めされたかと也。

書き下し

一日、殊勝に落ちたる道心者来るに示して曰く、仏道と云ふは、樊噲、張良を欺く程の心を用ゆること也、なにと合点めされたかと也。

現代語訳

ある日、殊勝に沈み込んだ道心者が来たので、示して言われた。仏道というのは、樊噲や張良をもしのぐほどの心を用いることである。どう納得されたか、と。

解説

しおらしく神妙に沈み込んだ修行者に、正三は、仏道とは、漢の高祖を支えた豪傑樊噲や軍師張良をもしのぐほどの強い心を用いることだ、と言う。おとなしく殊勝にしていることが修行ではない。勇猛さと知略を兼ね備えた英雄のような心の強さこそが求められる、と。控えめで大人しい態度を美徳と思い込んでいる人に、内に燃えるような強さを持て、と促す一言である。

この章句が説くこと

樊噲張良心の強さ殊勝勇猛仏道

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