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驢鞍橋 / 卷下

又曰く、古人に恨み有り、十六想觀抔と好きことそろへの說計りを用ひ授て、佛の第一にし給ふ處の不淨觀を捨て置かれたるこそ中々恨み也。

新字:又曰く、古人に恨み有り、十六想観抔と好きことそろへの説計りを用ひ授て、仏の第一にし給ふ処の不浄観を捨て置かれたるこそ中々恨み也。

書き下し

又曰く、古人に恨み有り、十六想観抔と好きことそろへの説計りを用ひ授て、仏の第一にし給ふ処の不浄観を捨て置かれたるこそ中々恨み也。

現代語訳

また言われた。古人に恨みがある。十六想観などと、良いことばかり揃えた説ばかりを用いて授け、仏が第一にされた不浄観を捨て置かれたのは、まったく恨めしいことである。

解説

浄土の美しい光景を順に思い描く十六想観のような、きれいなことを揃えた教えばかりが広まり、仏陀が最も重んじた、身体の不浄を見つめる不浄観が捨て置かれたのは恨めしい、と正三は言う。心地よいイメージを描く瞑想より、身体への執着を断つために目を背けたくなる現実を見つめる修行こそが大切だ、と。耳に心地よい教えばかりが好まれる風潮への批判は、ポジティブ思考ばかりがもてはやされる今にも通じる。

この章句が説くこと

不浄観十六想観現実を見る執着心地よさ批判

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