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驢鞍橋 / 卷上

一日向衆曰く、我此前より娑婆捨つたと思ひたるか、今思ふにそでも無き事也。さず今のもまだでかうろではあらしと思はるゝ也。

書き下し

一日向衆曰く、我此前より娑婆捨つたと思ひたるか、今思ふにそでも無き事也。さず今のもまだでかうろではあらしと思はるゝ也。

現代語訳

ある日、衆に向かって言われた。私は以前から娑婆を捨てたと思っていたが、今思えばそうでもないことだった。そして今のもまだ、たいしたものではないと思われる、と。

解説

俗世の執着を捨てたと思っていたが、振り返るとそうでもなかった、と正三が弟子たちに率直に語る短い条である。そして今の境地も、まだ大したことはないと思う、と続ける。晩年に至ってもなお、自分の到達点を疑い続ける姿勢がここにある。できたと思った瞬間から成長は止まる。過去の自分を振り返って未熟だったと気づけるのは、成長している証拠でもある。自分の現在地を常に疑う謙虚さを伝えている。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

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この章句が説くこと

執着謙虚自己点検成長娑婆振り返り

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