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説苑 / 善說

趙簡子問於成摶曰:「吾聞夫羊殖者,賢大夫也,是行奚然?」對曰:「臣摶不知也。」簡子曰:「吾聞之子與友親,子而不知,何也?」摶曰:「其為人也數變,其十五年也,廉以不匿其過;其二十也,仁以喜義,其三十也,為晉中軍尉,勇以喜仁,其年五十也,為邊城將,遠者復親。今臣不見五年矣。恐其變,是以不敢知。」簡子曰:「果賢大夫也,每變益上矣。」

新字:趙簡子問於成摶曰:「吾聞夫羊殖者,賢大夫也,是行奚然?」対曰:「臣摶不知也。」簡子曰:「吾聞之子与友親,子而不知,何也?」摶曰:「其為人也数変,其十五年也,廉以不匿其過;其二十也,仁以喜義,其三十也,為晉中軍尉,勇以喜仁,其年五十也,為辺城将,遠者復親。今臣不見五年矣。恐其変,是以不敢知。」簡子曰:「果賢大夫也,毎変益上矣。」

書き下し

趙簡子成摶に問いて曰く、「吾聞く夫の羊殖なる者は賢大夫なりと、是の行い奚如。」對えて曰く、「臣摶知らざるなり。」簡子曰く、「吾之を聞くに子友として親しむと。子にして知らざるは何ぞや。」摶曰く、「其の人と爲りや數々變ず。其の十五なるや、廉にして以て其の過ちを匿さず。其の二十なるや、仁にして以て義を喜ぶ。其の三十なるや、晉の中軍尉と爲り、勇にして以て仁を喜ぶ。其の年五十なるや、邊城の將と爲り、遠き者復た親しむ。今臣見ざること五年なり。其の變ぜんことを恐る、是を以て敢えて知らざるなり。」簡子曰く、「果たして賢大夫なり、變ずる每に上を益す。」

現代語訳

趙の簡子が成摶に尋ねた。『私は、あの羊殖という者は賢い大夫であると聞いているが、その人となりはどうであるか。』成摶は答えた。『私、摶には分かりません。』簡子は言った。『私はあなたが彼と友人として親しいと聞いているが、あなたが分からないというのはどういうことか。』成摶は言った。『彼の人となりはたびたび変化するのです。彼が十五歳の頃は、清廉で自分の過ちを隠すことがありませんでした。二十歳の頃は、仁徳があり正義を好みました。三十歳の頃には晋の中軍尉となり、勇敢で仁徳を好みました。五十歳になった頃には辺境の城の将軍となり、遠くの者たちもまた彼になつきました。今、私は彼と会わなくなって五年になります。彼がまた変わっているのではないかと恐れ、それゆえあえて分かるとは申せないのです。』簡子は言った。『まさに賢い大夫だ。変わるたびにさらに向上しているのだから。』

解説

「羊殖はどんな人物か」という問いに対し、親友である成摶があえて「分からない」と答えたのは、無知ではなく、人は年月とともに絶えず変化するものであり、五年会っていない今、かつての評価をそのまま当てはめることこそ不誠実だという慎重さの表れである。しかも彼が語る羊殖の変化はいずれも向上の連続であり、簡子はそこから「常に成長し続けていること自体が賢さの証だ」と見抜いた。人物評価を一度きりの印象で固定化せず、常にアップデートし続ける謙虚さと、変化し続けることこそ真の力量であるという二重の教訓は、人材育成や自己研鑽の場に深く響く。

この章句が説くこと

成長人物評価謙虚

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