李衛公問対 / 卷下
譬如奕棊,兩敵均焉,一著或失,竟莫能救。是古今勝敗,率由一誤而已,況多失者乎!
新字:譬如奕棊,両敵均焉,一著或失,竟莫能救。是古今勝敗,率由一誤而已,況多失者乎!
書き下し
譬えば奕棊のごとし。兩敵均しければ、一著或いは失すれば、竟に救う能わず。是れ古今の勝敗、率ね一誤に由るのみ。況んや多く失する者をや。
現代語訳
たとえば碁を打つようなものである。両者の実力が拮抗しているとき、一手でも間違えれば、もはや取り返しがつかない。昔から今に至るまでの勝敗は、おおむねただ一つの誤りによって決まるのであって、まして誤りを重ねる者ならなおさらである。
解説
実力が伯仲した勝負ほど、わずか一つの判断ミスが結果を分けるという鋭い洞察である。互角の状況では取り返しのつくミスなど存在せず、一手の誤りがそのまま形勢を決定づけてしまう。仕事の商談や試験、日々の重要な決断においても、実力差が小さいときほど一つの油断や見落としが命取りになりやすい。誤りを重ねればなおさら挽回は難しくなるため、拮抗した局面ほど一手一手を丁寧に扱う姿勢が求められる。
この章句が説くこと
一手拮抗慎重
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