李衛公問対 / 卷上
凡將,正而無奇,則守將也;奇而無正,則鬬將也;奇正皆得,國之輔也。
新字:凡将,正而無奇,則守将也;奇而無正,則鬬将也;奇正皆得,国之輔也。
書き下し
凡そ将は、正にして奇無ければ、則ち守将なり。奇にして正無ければ、則ち闘将なり。奇正皆な得れば、国の輔なり。
現代語訳
およそ将というものは、正の型ばかりで奇の変化を持たなければ、守りに徹する将にとどまる。奇の変化ばかりで正の型を持たなければ、ただ勇んで戦うだけの将にとどまる。正と奇の両方を身につけていれば、国を支える柱となる人物である。
解説
李靖は将を三つの型に分け、原則を守るだけの人、変化に頼るだけの人、その両方を使いこなせる人とに整理する。堅実だが融通が利かない人と、機転は利くが軸を欠く人は、それぞれ違う理由で頼りきれないという見立てである。仕事の現場でも、決まった手順を守ることと、状況に応じて崩すことの両方ができて初めて、周囲から本当に頼られる存在になる。自分がどちらか一方に偏っていないか、振り返る材料になる一節である。
この章句が説くこと
守将闘将両立