師導古典を学びたいすべての人に

李衛公問対 / 卷下

靖良久曰:「誠如聖語。大凡用兵,若敵人不誤,則我師安能克哉?

書き下し

靖良(やや)久しくして曰く、「誠に聖語の如し。大凡(おほよそ)兵を用ふるに、若し敵人誤らざれば、則ち我が師安んぞ能く克たんや。

現代語訳

李靖はしばらく考えてから言った。「まことに陛下のお言葉のとおりである。およそ兵を用いるにあたって、もし敵が誤らなければ、我が軍がどうして勝つことができようか。

解説

この直前で太宗は、兵書の千言万語も、さまざまな手立てで敵に誤らせることに尽きるという趣旨を述べている。李靖はしばらく考えたうえで深く同意し、敵が誤らなければ我が軍は勝てないと言い切る。勝利は自軍の力だけで生まれるのではなく、敵の判断の誤りがあってはじめて成り立つという認識である。だからこそ兵法の工夫は、敵に誤らせる方向に集中する。孫子の、勝つべからざるは己にあり、勝つべきは敵にあるという考えとも響き合う。競争の場でも、自分の強みを磨くだけでは足りない。相手が判断を誤る条件をどう作り出すかまで考えるのが、戦略の要である。

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る