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礼記 / 楽記

天尊地卑,君臣定矣。卑高已陳,貴賤位矣。動靜有常,小大殊矣。方以類聚,物以群分,則性命不同矣。在天成象,在地成形。如此,則禮者天地之別也。 地氣上齊,天氣下降;陰陽相摩,天地相蕩;鼓之以雷霆,奮之以風雨,動之以四時,暖之以日月;而百化興焉。如此,則樂者天地之和也。

新字:天尊地卑,君臣定矣。卑高已陳,貴賤位矣。動静有常,小大殊矣。方以類聚,物以群分,則性命不同矣。在天成象,在地成形。如此,則礼者天地之別也。 地気上斉,天気下降;陰陽相摩,天地相蕩;鼓之以雷霆,奮之以風雨,動之以四時,暖之以日月;而百化興焉。如此,則楽者天地之和也。

書き下し

天は尊く地は卑くして、君臣定まる。卑高已に陳(つら)なりて、貴賤位す。動静常有りて、小大殊なる。方は類を以て聚まり、物は群を以て分かれて、則ち性命同じからず。天に在りては象を成し、地に在りては形を成す。此くの如くなれば、則ち礼なる者は天地の別なり。 地気上に齊(のぼ)り、天気下に降り、陰陽相摩し、天地相蕩(うご)かし、之を鼓するに雷霆を以てし、之を奮うに風雨を以てし、之を動かすに四時を以てし、之を暖むるに日月を以てして、百化興る。此くの如くなれば、則ち楽なる者は天地の和なり。

現代語訳

天は尊く地は低い。それに応じて君と臣の関係が定まる。低いものと高いものがすでに並んでいて、貴い者と賤しい者の位置が定まる。動と静には常の法があり、大きいものと小さいものが分かれる。動くものは類ごとに集まり、生えるものは群ごとに分かれて、それぞれの生のありようが異なる。天にあっては日月星辰の象(かたち)を成し、地にあっては山川草木の形を成す。このようであるから、礼とは天地の区別なのである。 地の気は上に昇り、天の気は下に降り、陰と陽とが迫り合い、天と地とが揺り動かし合う。雷によってこれを打ち鳴らし、風雨によってこれを奮い立たせ、四季によってこれを動かし、日月によってこれを暖めて、あらゆるものが生まれ育つ。このようであるから、楽とは天地の調和なのである。

解説

礼を天地の区別に、楽を天地の調和に対応させた段である。前半は『易』繋辞上伝の冒頭「天は尊く地は卑くして、乾坤定まる」以下とほぼ同じ文句を用い、乾坤・剛柔・吉凶を君臣・小大・性命に置き換えている。後半も、繋辞伝の「剛柔相摩し、八卦相盪かし、之を鼓するに雷霆を以てし」とよく似た言葉で、天地の気が交わり万物が生まれる様子を描く。鄭玄は「卑高」を山と沢、「方」を動き回る虫の類、「物」を植物と注し、「性命」を生と寿命の長短と読む。高低、動静、大小の区別そのものが礼であり、天地の気が交わって生み出す営みそのものが楽だという、雄大な見方である。礼楽は人が勝手に作った決まりではなく、自然の成り立ちに根ざしたものだと主張することで、儒家は礼楽に揺るがない根拠を与えようとした。違いを認めることと、交わって生み出すことは、自然でも人の世でも表裏一体である。

この章句が説くこと

礼記楽記易天地陰陽

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