忍経 / 為同列斥
王吉為添差都監,從征劉旰。吉寡語,若無能動。為同列斥,吉不問,唯盡力王事。卒破賊,遷統制。
新字:王吉為添差都監,従征劉旰。吉寡語,若無能動。為同列斥,吉不問,唯尽力王事。卒破賊,遷統制。
書き下し
王吉、添差都監と爲り、劉旰を征するに從ふ。吉は寡語にして、能く動くこと無きが若し。同列の斥くる所と爲るも、吉問はず、唯だ力を王事に盡くす。卒に賊を破り、統制に遷る。
現代語訳
王吉(宋の武官)は添差都監(臨時に置かれた軍の監督官)となり、劉旰(反乱の首領)の討伐に従軍しました。王吉は口数が少なく、何もできない人のように見えました。同僚たちからは退けられ軽んじられましたが、王吉はとがめず、ただ国の務めに力を尽くしました。そしてついに賊を破り、統制(軍の指揮官)に昇進しました。
解説
宋の武官王吉の短い逸話です。口数が少なく、目立った働きもしないように見えた王吉は、同僚たちから軽んじられ、のけ者にされました。それでも王吉は言い返したり弁明したりせず、ただ与えられた務めに力を尽くし、ついに賊を破って昇進しました。周りの評価に振り回されず、結果で示したのです。口のうまい人が目立ちやすいのは、今の職場でも変わりません。軽んじられたときに言葉で張り合うのではなく、黙って仕事の質で答えるという道もあります。ただ、不当な扱いが続くなら、しかるべき人に相談することも大切です。自分の力を尽くす場所を見失わないことが、この話の要でしょう。
この章句が説くこと
忍寡黙評価職務処世
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