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忍経 / 辭和氣平

凡人語及其所不平,則氣必動,色必變,辭必厲。唯韓魏公不然,更說到小人忘恩背義欲傾己處,辭和氣平,如道平常事。

新字:凡人語及其所不平,則気必動,色必変,辞必厲。唯韓魏公不然,更説到小人忘恩背義欲傾己処,辞和気平,如道平常事。

書き下し

凡そ人其の平らかならざる所に語り及べば、則ち氣必ず動き、色必ず變じ、辭必ず厲し。唯だ韓魏公は然らず、更に小人の恩を忘れ義に背き、己を傾けんと欲する處に說き到るも、辭和し氣平らかにして、平常の事を道ふが如し。

現代語訳

およそ人は、自分が不満に思っていることに話が及ぶと、必ず気持ちが高ぶり、顔色が変わり、言葉が激しくなるものです。ただ韓魏公(韓琦)だけはそうではありませんでした。小人が恩を忘れ義に背いて、自分を陥れようとしたことにまで話が及んでも、言葉は穏やかで気持ちは平らかで、まるでふだんの事を話すかのようでした。

解説

北宋の宰相韓琦の人柄を伝える短い一節です。人は腹立たしいことを話すとき、どうしても声が高くなり、顔色が変わるものです。まして恩を仇で返した相手の話となれば、なおさらでしょう。ところが韓琦は、自分を陥れようとした者のことさえ、日常の出来事のように穏やかに語ったと言います。心の中で過去の出来事にけりがついているからこそ、語り口も平らかになるのです。人の悪口や愚痴を語るとき、語り手の表情はその人の器を映します。嫌な出来事を話すとき、自分の声や顔がどうなっているか、一度意識してみる価値があります。

この章句が説くこと

韓琦平静怒り修身

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