宋名臣言行録 / 後集巻十二・劉安世
先生曰金陵亦非常人其粗行與老先生略同其質樸儉素終身好學不以官職為意是所同也但學有邪正各欲行其所學者爾而諸人輙溢惡此人主所以不信而天下之士至今疑之以其言不公故愈毁之而愈不信也
新字:先生曰金陵亦非常人其粗行与老先生略同其質樸倹素終身好学不以官職為意是所同也但学有邪正各欲行其所学者爾而諸人輙溢悪此人主所以不信而天下之士至今疑之以其言不公故愈毁之而愈不信也
書き下し
先生曰く、金陵も亦た常人に非ず。其の粗行は老先生と略ミ同じ。其の質樸儉素、終身好學、官職を以て意と爲さざるは、是れ同じき所なり。但だ學に邪正有り、各ミ其の學ぶ所を行わんと欲する者のみ。而るに諸人輒ち惡を溢る。此れ人主の信ぜざる所以にして、天下の士今に至るまで之を疑う。其の言公ならざるを以ての故に、愈ミ之を毁りて愈ミ信ぜられざるなり。
現代語訳
先生(劉安世)は言った。「王安石もまた並の人ではない。その大まかな行いは、老先生(司馬光)とほぼ同じである。質朴で倹素であること、生涯学を好んだこと、官職を心にかけなかったこと、これらは同じところだ。ただ学問に邪と正があり、それぞれ自分の学んだところを行おうとした、というだけのことだ。ところが人々はすぐに悪口を並べ立てて度を超す。これが天子の信じなかった理由であり、天下の士が今に至るまでその批判を疑っている理由だ。その言葉が公平でないために、けなせばけなすほど信じられなくなったのである」。
解説
生涯かけて新法と戦った側の人が、相手の人物評を語っています。まず並べたのは共通点でした。**質朴で倹素であること、生涯学を好んだこと、官職を心にかけなかったこと、これらは同じところだ。**自分の師と同じだ、とまで言います。争点は一つに絞られました。**ただ学問に邪と正があり、それぞれ自分の学んだところを行おうとした、というだけのことだ。**そして味方の攻撃の仕方を批判します。**その言葉が公平でないために、けなせばけなすほど信じられなくなったのである。**
この章句が説くこと
金陵も亦た常人に非ず其の粗行は老先生と略ミ同じ其の質樸倹素終身好学官職を以て意と為さざるは是れ同じき所なり但だ学に邪正有り各ミ其の学ぶ所を行わんと欲する者のみ其の言公ならざるを以ての故に愈ミ之を毁りて愈ミ信ぜられざるなり批判公平
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