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宋名臣言行録 / 後集巻十二・劉安世

及甫稱鷹揚謂其父潞公也當塗者謂劉摯也其徒實繁者謂梁燾王巖叟劉安世孫升韓川之類也司馬昭之心路人所知者緣摯竄斥顧命宰相蔡確是時國勢甚危疑摯有傾摇之心意在不測如司馬昭廢辱之事也

新字:及甫称鷹揚謂其父潞公也当塗者謂劉摯也其徒実繁者謂梁燾王巖叟劉安世孫升韓川之類也司馬昭之心路人所知者縁摯竄斥顧命宰相蔡確是時国勢甚危疑摯有傾摇之心意在不測如司馬昭廃辱之事也

書き下し

及甫の鷹揚と稱するは、其の父潞公を謂うなり。當塗なる者は劉摯を謂うなり。其の徒實に繁しとは、梁燾・王巖叟・劉安世・孫升・韓川の類を謂うなり。司馬昭の心は路人の知る所なりとは、摯が顧命の宰相蔡確を竄斥せしに緣り、是の時國勢甚だ危うく、摯に傾搖の心有りて意不測に在ること、司馬昭廢辱の事の如きを疑えばなり。

現代語訳

文及甫が「鷹揚」と称したのは、その父の潞国公・文彦博を指したのである。「当塗(権勢の座にある者)」とは劉摯を指す。「その一味は実に多い」とは、梁燾・王巌叟・劉安世・孫升・韓川のたぐいを指す。「司馬昭の心は道行く人でも知っている」とは、劉摯が顧命の宰相であった蔡確を追放したことによって、当時は国の勢いがはなはだ危うく、劉摯に政権を揺るがす心があって、その意図は測りがたく、司馬昭が君主を廃し辱めた事のようであった、と疑ったからだ、というのである。

解説

取り調べは、手紙の語を一つずつ人名に置き換えていきます。「当塗」とは劉摯を指す。書いていないものを、読み解いた形で確定させました。しかも一味の名は五人並びます。梁燾・王巌叟・劉安世・孫升・韓川のたぐいを指す。手紙にはただ「其の徒実に繁し」とあるだけです。それが具体的な逮捕名簿になりました。最後の一語がいちばん重い。司馬昭が君主を廃し辱めた事のようであった。謀反の罪名は、こうして組み立てられます。

この章句が説くこと

及甫の鷹揚と称するは其の父潞公を謂うなり其の徒実に繁しとは梁燾・王巖叟・劉安世・孫升・韓川の類を謂うなり摯が顧命の宰相蔡確を竄斥せしに縁る摯に傾揺の心有りて意不測に在ること司馬昭廃辱の事の如きを疑えばなり解釈罪名

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