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宋名臣言行録 / 後集巻十二・劉安世

昔溫公為相日葢知其後必有反覆之禍然救生民之患如救焚拯溺猶恐不及何暇更顧異日一身之患哉世以公為知言

新字:昔温公為相日葢知其後必有反覆之禍然救生民之患如救焚拯溺猶恐不及何暇更顧異日一身之患哉世以公為知言

書き下し

昔温公相と爲るの日、蓋し其の後必ず反覆の禍有るを知る。然れども生民の患いを救うは、焚を救い溺を拯うが如く、猶お及ばざるを恐る。何ぞ更に異日一身の患いを顧みるに暇あらんや。世公を以て言を知ると爲す。

現代語訳

「昔、司馬光が宰相であった日、おそらくその後に必ず巻き返しの禍いがあることを知っていた。しかし民の患いを救うのは、火事を消し、溺れる者を助け上げるようなもので、それでも間に合わないことを恐れるほどだ。どうして、後日の自分一身の患いを顧みる暇があろうか」。世の人は劉安世を、ものの道理を言い当てた人だとした。

解説

前段で調停を切り捨てた人が、では自分の側は無傷でいられると思っていたのか、と続きます。答えは逆でした。おそらくその後に必ず巻き返しの禍いがあることを知っていた。分かったうえでやった、という見方です。理由は急ぎでした。火事を消し、溺れる者を助け上げるようなもので、それでも間に合わないことを恐れるほどだ。目の前で燃えているときに、後日の身の安全を計算する時間はない。どうして、後日の自分一身の患いを顧みる暇があろうか。

この章句が説くこと

昔温公相と為るの日蓋し其の後必ず反覆の禍有るを知る生民の患いを救うは焚を救い溺を拯うが如し猶お及ばざるを恐る何ぞ更に異日一身の患いを顧みるに暇あらんや覚悟急務

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