宋名臣言行録 / 後集巻十二・王巖叟
邇英進讀寳訓至節費公曰凡言節用非謂偶節一事便能有濟要當每事以節儉為意則積久累日國用自饒
新字:邇英進読寳訓至節費公曰凡言節用非謂偶節一事便能有済要当毎事以節倹為意則積久累日国用自饒
書き下し
邇英に進讀し、寶訓の費を節するに至る。公曰く、凡そ用を節すと言うは、偶ミ一事を節すれば便ち能く濟す有りと謂うに非ず。要は當に事每に節儉を以て意と爲すべし。則ち積累日を累ねて、國用自ら饒かなり、と。
現代語訳
邇英閣で進講し、『宝訓』の費用を節約する条にさしかかった。王巌叟は言った。「おおよそ費用を節約すると申しますのは、たまたま一つの事を切り詰めれば、それで用が足りるという意味ではありません。肝要なのは、事あるごとに倹約を心がけることです。そうすれば積み重なり日を重ねて、国の財政はおのずと豊かになります」。
解説
節約という語の使われ方に、注意をうながした一条です。よくある誤解を先に外します。**たまたま一つの事を切り詰めれば、それで用が足りるという意味ではありません。**目立つ支出を一件やめて、済んだことにする。それでは効きません。求めているのは態度のほうでした。**肝要なのは、事あるごとに倹約を心がけることです。**一件ずつは小さくても、件数と日数が掛かります。**積み重なり日を重ねて、国の財政はおのずと豊かになります。**
この章句が説くこと
邇英に進読し宝訓の費を節するに至る凡そ用を節すと言うは偶ミ一事を節すれば便ち能く済す有りと謂うに非ず要は当に事毎に節倹を以て意と為すべし則ち積累日を累ねて国用自ら饒かなり倹約蓄積
関連する章句
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『宋名臣言行録』後集巻十・傅堯俞時に國用乏し。利を言う者爭いて計を獻じて國を富まさんとす。公奏して曰く、今度支の歳用足らざるは誠に忽せにす可からず。其の弊を救わんと欲せば、陛下は宜しく躬ら自ら儉刻し身を天下に先んじ、農時を奪う無く商旅を害する勿かるべし。此くの如くんば可なり。然らずして徒だ紛更して之を爲さんと欲するは益無し。聚歛用いらるれば則ち天下殆うからんと。
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