宋名臣言行録 / 後集巻十二・王巖叟
因侍講筵奏曰陛下退朝無事不知何以消日應曰看文字對曰陛下以讀書為樂天下幸甚大抵聖賢之學非造次可成須在積累積累之要在專與勤屏絶他好始可謂之專久而不倦始可謂之勤四字是積學之要願陛下特留聖意
新字:因侍講筵奏曰陛下退朝無事不知何以消日応曰看文字対曰陛下以読書為楽天下幸甚大抵聖賢之学非造次可成須在積累積累之要在専与勤屏絶他好始可謂之専久而不倦始可謂之勤四字是積学之要願陛下特留聖意
書き下し
侍講の筵に因りて奏して曰く、陛下朝を退きて事無きとき、何を以て日を消すやを知らず、と。應えて曰く、文字を看る、と。對えて曰く、陛下讀書を以て樂と爲す。天下幸甚なり。大抵聖賢の學は造次に成る可きに非ず。須らく積累に在るべし。積累の要は專と勤とに在り。他好を屏絶して、始めて之を專と謂う可し。久しくして倦まずして、始めて之を勤と謂う可し。四字は是れ積學の要なり。願わくは陛下特に聖意を留めよ、と。
現代語訳
侍講の席で奏して言った。「陛下は朝廷から退かれて用事のないとき、何をして一日をお過ごしでしょうか」。天子は答えて言った。「書物を見ている」。王巌叟は申し上げた。「陛下が読書を楽しみとしておられるのは、天下にとってこの上ない幸いです。おおよそ聖賢の学は、あわただしいうちに成るものではありません。必ず積み重ねることにあります。積み重ねの要は、専らにすることと勤めることにあります。ほかの好みを断ち切って、はじめてこれを『専』と申せます。長く続けて飽きないで、はじめてこれを『勤』と申せます。この四つの字が、学を積む要です。どうか陛下は特にお心をお留めください」。
解説
問いから入っています。何を学べ、ではなく、空いた時間に何をしているか、でした。**朝廷から退かれて用事のないとき、何をして一日をお過ごしでしょうか。**答えを聞いてから、続け方の話に移ります。積・累・専・勤の四字を出し、後ろの二つに定義を付けました。**ほかの好みを断ち切って、はじめてこれを『専』と申せます。長く続けて飽きないで、はじめてこれを『勤』と申せます。**やっているつもりでは足りない。何かをやめたか、飽きても続いたか。判定の基準になっています。
この章句が説くこと
陛下朝を退きて事無きとき何を以て日を消すやを知らず大抵聖賢の学は造次に成る可きに非ず須らく積累に在るべし他好を屏絶して始めて之を専と謂う可し久しくして倦まずして始めて之を勤と謂う可し学問蓄積
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