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宋名臣言行録 / 後集巻十二・王巖叟

近臣被詔薦御史意属公而未及識或謂公曰可一往見之公笑曰此所謂呈身御史也卒不見

書き下し

近臣詔を被りて御史を薦む。意公に属するも、未だ識るに及ばず。或るひと公に謂いて曰く、一たび往きて之に見ゆ可し、と。公笑いて曰く、此れ所謂身を呈する御史なり、と。卒に見えず。

現代語訳

側近の臣が詔を受けて御史を推薦することになった。その意中は王巌叟にあったが、まだ面識がなかった。ある人が王巌叟に言った。「一度出向いて会っておくのがよろしい」。王巌叟は笑って言った。「それがいわゆる、身を売り込みに行く御史というものだ」。とうとう会いに行かなかった。

解説

三十七字の短い条です。勧めた側にも悪気はありません。一度出向いて会っておくのがよろしい。顔合わせをしておくだけ、という話です。それに名前を付けて返しました。それがいわゆる、身を売り込みに行く御史というものだ。御史は人を弾劾する官です。その職に就くために自分を売り込みに行けば、以後その人には物が言えなくなります。就く前の一回の訪問が、就いた後のすべてを縛る。だから会わずに終えました。

この章句が説くこと

近臣詔を被りて御史を薦む意公に属するも未だ識るに及ばず一たび往きて之に見ゆ可し此れ所謂身を呈する御史なり卒に見えず御史推挙

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